2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592306
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
松村 一弘 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50378486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 和典 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402716)
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Keywords | 敗血症 / サイトカイン / 肝不全 / 高血糖 / インスリン / LPS / 骨髄細胞 / 内皮細胞障害 |
Research Abstract |
敗血症により、心不全、呼吸不全、腎不全、肝不全など多臓器不全が生じる可能性があり、その多臓器不全の中でも肝不全に対する対策は治療を行う上でも極めて重要である。しかしながら敗血症による肝不全の発症機序は未だ明らかではない。敗血症患者においても、Burgheらの報告で正常血糖状態が多臓器不全の頻度を低下させることから考えて、我われが報告してきた糖尿病と同じく、骨髄細胞よりの異常な細胞の各臓器細胞への融合が多臓器不全の発症に関連しているとの仮説を我々は立ててみた。すなわち敗血症において、肝臓での骨髄細胞よりの異常なインスリン産生細胞の発現の有無と肝不全発症との関連について検討する。そのためにLPSを用いて作製した敗血症モデルマウスにおける、インスリンまたはプロインスリン陽性である骨髄細胞由来の異常細胞の出現についての検討実験を行うこととし、敗血症にて生じる高血糖状態において、肝機能評価、内皮細胞障害を表すTAT,PAI-1などの凝固線溶マーカー、炎症性サイトカインの濃度を測定する実験が必要である。これらの検討中、高血糖状態では小腸においても、骨髄由来細胞の機能異常による影響が生じていることが分かり、結果をJ Gastroenterol Hepatolに報告した。また、その他の結果として、LPS投与による急性効果では敗血症性ショックによる影響が強く、高血糖状態の期間が短く程度も強くなく、肝不全の兆候も強くないため、現在敗血症による肝不全モデルマウスを作成するのに適した条件を確立するため、適切なLPSの投与量、投与期間および敗血症状態の期間による変化をも含めた基礎検討している。
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