2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592308
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松枝 睦美 Okayama University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (30347653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 由香里 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (10304289)
高橋 香代 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60163250)
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Keywords | 救急処置 / トリアージ / 養護教諭 / 学校事故 / 判断 / 対応 / 記録 |
Research Abstract |
本年度は,救急処置に関する実態調査と判例分析を行い学校救急処置トリアージチェックリスト作成にむけて次の研究計画を実施した。まず,医師・看護師・救急救命士の実施しているフィジカルアセスメント方法について文献による分析を実施した。その結果,養護教諭は,事故発生現場の情報が乏しい状況から問診とフィジカルアセスメントを実施し判断する第一線の実践家としての専門性があることが理解できた。しかし,養護教諭の行う救急処置に焦点を当てた研究は少なく,専門職としての実践方法については未確立である。そこで,1.学校における傷病の実態と養護教諭の判断と対応を明らかにするために,日本スポーツ振興センター申請事例の傷病分析と,養護教諭に救急処置における困難感に関するアンケート調査を実施した。その結果,養護教諭には生命にかかわる状態より,専門職として判断と対応を決定すべき事例がほとんどであること,実践に関して養護教諭は,経験年数にかかわらず「判断」「対応」ともに困難を感じている現状が明らかとなった。2.学校事故の裁判事例から学校救急処置で養護教諭に職務として求められる内容を抽出した。分析の結果,【救急蘇生】【緊急度・重症度判断】【連携と支援体制の整備】【学校救急処置の記録】が抽出され,「救急車を要請する」「医療機関を受診する」「保健室で経過を観察する」という対応を決定するために必要な優先度が存在する内容であった。現在,トリアージチェックリストの傷病別シート作成のために傷病の種類による状態とその転帰の分析を進めている。次年度は,これらの結果をもとに,トリアージチェックリストの試用を実施し,観察項目の検討,洗練化をはかり,実践に基づいた結果からトリアージチェックリストの精度を高める予定である。
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