2011 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMTS13の血液流動下における活性発現と抗炎症作用
Project/Area Number |
21592313
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
西尾 健治 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60254489)
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Keywords | ADAMTS13 / von Willebrand factor / MCAO / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
ADAMTS13のVWF機能抑制による血小板粘着抑制(粘着は一般の抗血小板薬では抑制されない)は動脈血栓形成増大抑制のみならず、新たな抗炎症薬として敗血症治療法や多臓器不全抑制療法を誘導する可能性があると考えている。そこでADADAMTS13というVWF切断酵素の活性発現機序をより鮮明にすることが、新たな抗炎症薬の活性発現機構解明につながると考え、実験をおこなった。VWFを固相化して、VWFを基質として発現される流動血液下ADAMTS13活性測定を試みたところ、VWFに粘着した血小板でVWFをかなり早い血流で伸展することが、ADAMTS13の基質になるのには重要であることを見出した。血小板はVWF上をローリングしてころがりやすく、かなり早い血流の存在がなければ十分なVWF進展がおきない。そこでVWFと強く粘着する血小板GPIbを(血小板型von Willebrand病の変異血小板GPIb)をバキュロウィルスにより作成し、ビーズに粘着させて人工血小板として、固相化したVWFと反応させた。つまりワイルドタイプのGPIbと異なり、変異GPIbはVWFと強く粘着するため、より遅い血流でVWFはより簡単に伸展され、ADAMTS13により切断されやすくなると考えたわけである。しかしながら、未だ活性の発現は認めていない。 またマウス中大脳動脈閉塞モデルを用いて虚血と炎症の結果である脳虚血再灌流障害に対するADAMTS13の抑制効果を検証した。ADAMTSI3ノックアウトマウスでは血液中のHMGB1濃度の上昇を確認し、蛍光免疫染色にてHMGB1やMPO(myeloperoxidase)陽性細胞がワイルドタイプより増加していることを確認した。つまりADAMTS13は脳内における炎症の制御にかかわっていることが推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] ADAMTS13 gene deletion enhances plasma high-mobility group box1 elevation and neuroinflammation in brain ischemia-reperfusion injury2012
Author(s)
Masayuki Fujioka, Takafumi Nakano, Kazuhide Hayakawa, Keiichi Irie, Yoshiharu Akitake, Yuya Sakamoto, Kenichi Mishima, Carl Muroi, Yasuhiro Yonekawa, Fumiaki Banno, Koichi Kokame, Toshiyuki Miyata, Kenji Nishio, Kazuo Okuchi, Katsunori Iwasaki, Michihiro
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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