2010 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺障害における血管内皮前駆細胞の動態解析:自家移植による再生治療の試み
Project/Area Number |
21592318
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
武山 直志 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (00155053)
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Keywords | 急性肺障害 / 内皮前駆細胞 / 自家移植 / VEGF |
Research Abstract |
血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cells ; EPCs)は、新たに血管が形成されつつある局所、もしくは内皮細胞障害部位に取り込まれ、分化、増殖、遊走し血管形成、ならびに内皮障害の修復に重要な役割を果たしている(Asahara T et al. Science ; 1997)。EPCsは障害内皮細胞の生理的修復機構と推測されているためALI/ARDS(急性肺障害、急性呼吸窮迫症候群)の際に何らかの変動を示すと推察される。本年度はFicoll Hypaqueを用いた濃度勾配法にてヘパリン化全血より分離精製した単核球分画(PBMCs)の表面抗原を特異抗体で染色、洗浄、ホルマリン固定後3カラーFACS(CD34PE/CD45FITC/7-AAD)にて測定することによりEPCsの同定を行った。測定は基本的にISHAGE推奨法に準拠して行っており安定した結果が得られている。すなわちCD34抗体の非特異染色の影響をできるだけ少なくするためにCD45との同時染色を行いCD45強陽性のCD34非特異染色細胞とCD45弱陽性のCD34陽性造血前駆細胞とを識別し解析する。さらに7-AAD(核染色剤)により死細胞を検出し解析から除外した。EPCs動員に深く関与している血液中vascular endothelial growth factor(VEGF)濃度はELISA kit(Quantikine, R & D Systems ; Mineapolis, MN)を用いて同時に測定を開始している。本キットはVEGF_<121>,VEGF_<165>に特異的に反応する。
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