2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592323
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 裕三 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10135725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 淳 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70335660)
村上 秀明 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (00263301)
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Keywords | 唾液腺 / 幹細胞 / マウス / 免疫組織化学 / BrdU |
Research Abstract |
以前我々はラットを用いて顎下腺にbromodeoxyuridine長期保有細胞(BrdU-LRC)を出現させ、腺房/導管細胞マーカーであるkeratin18(K18)と筋上皮細胞マーカーであるα-smooth muscle actin(αSMA)が共に陰性のBrdU-LRCが唾液腺の幹細胞であることを示した。今回BrdU、K18、αSMAと既知の組織幹細胞マーカーに対する抗体を用いた多重免疫組織染色を行うことにより、この未熟なBrdU-LRCのマーカーの決定を試みた。実験動物として、各種幹細胞の研究が最も進んでおり、さらにこれらの細胞に対する抗体が豊富に存在するマウスを選んだ。唾液腺に関する研究は従来からラットが主体でマウスに関する情報は比較的少ないが、同じげっ歯類であること、さらに組織構造が類似していることから、ラットのプロトコールに従ってマウスの顎下腺にK18-αSMA-BrdU-LRCを出現させることを試みた。この結果BrdU強陽性細胞が多く出現して、これらがノイズとなって求めるBrdU-LRCの同定が困難であった。さらにマウスの顎下腺はK18を発現していなかった。前者に関してはマウスの顎下腺の発生がラットより少し先立つためと考えられ、BrdUの投与方法を検討したところ生後1週から3日間の投与が妥当であることが判明した。またK18に代わりうる腺房/導管細胞マーカーとしてKl8のペアーであるK8を調べたが、マウスの唾液腺では陰性であった。幹細胞と考えられるBrdU-LRCは終末部と排出導管に存在するBrdU強陽性細胞であることから、これら細胞の各種幹細胞マーカーの発現を調べた。現在までintegrinα6(CD49f)、integrinβ1(CD29)、c-Kit(CD117)、laminin-1、Musashi-1を調べたがいずれも陰性であった。
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