2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における新規癌抑制遺伝子INGファミリーの機能解明
Project/Area Number |
21592326
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長塚 仁 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 邦博 岡山大学, 大学病院, 講師 (50284112)
玉村 亮 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00403494)
片瀬 直樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30566071)
|
Keywords | 口腔癌 / 癌抑制遺伝遣子 / ING / 機能解析 / 扁平上皮癌 / p53 |
Research Abstract |
癌は, 癌遺伝子および癌抑制遺伝子と呼ばれる複数の遺伝子異常が生じることにより発生する。特に癌抑制遺伝子の機能低下は癌の発生に重要であり、癌抑制遺伝子の発見・機能解析は癌病態解明において重要な意義を有する。本研究の目的は、癌抑制遺伝子と考えられているING遺伝子ファミリーの機能解析による遺伝子ネットワークの解明である。ネットワークの解明により現在再発・転移が多く、治療が困難である口腔癌について分子標的治療の基礎を構築する一助となる。 本年度は、ING遺伝子ファミリーにおいて詳細が不明であるING2遺伝子に焦点を絞り検討を行った。具体的には、口腔扁平上皮癌におけるING2遺伝子のLOH解析を行うとともに、その欠失とTP53遺伝子変異および臨床データとの関連を検討した 口腔扁平上皮癌80症例において、ING2特異的プライマーを用いてLOH解析を行った結果、55症例中30症例と高頻度(54.6%)のLOHが認められた。TP53のmutation解析では、検索可能であった68症例中26症例(38.2%)においてmutationを認めた。統計学的解析からING2のLOHとTP53遺伝子変異との間には明らかな相関は認められなかった。ING2のLOHと臨床病理データとの比較から、TNht分類のT因子、放射線治療の有無、化学療法の有無との間に相関を認め、進行期(Late T, T3-T4)において有意に高いLOHを認めた。また、LOHを認めた患者は無疾患生存率が短い傾向を示した。 以上のことから、ING2は口腔扁平上皮癌における新規癌抑制遺伝子である可能性が示唆され、癌の病期と関連することが示唆された
|
Research Products
(28 results)