2009 Fiscal Year Annual Research Report
γ-GTPを標的とした新規骨疾患治療法開発に関する検討
Project/Area Number |
21592328
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮内 睦美 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50169265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 隆 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10154783)
北川 雅恵 広島大学, 病院, 助教 (10403627)
|
Keywords | γ-GTP / 骨破壞 / 歯周病 / 骨粗鬆症 / 治療薬 |
Research Abstract |
1)骨芽細胞株(MC3T3-E1細胞)に及ぼすγ-GTP刺激の影響を検討した.100ng/mL濃度のγ-GTPはTNF-α,IL-1β,IL6やMIP-1mRNA等の炎症性サイトカインの発現を一過性に促進した.また,RANKLmRNA発現を促進し,OPGmRNA発現を抑制することによって破骨細胞形成を促進することが明らかとなった.次に2)胆道結紮(BDL)により高γ-GTP血症モデルを作成し,開腹のみの対照群と比較検討した.BDL群では、1週,2週と経時的に血清γ-GTP値が上昇し,γ-GTPの上昇に伴い、有意な骨密度と骨量の減少がみられた.特に、皮質骨幅の減少が目立った。また、大腿骨遠位骨端部では著明な破骨細胞増加が観察された。また,BDL群の歯槽骨では,歯根膜側骨縁に沿って多数の破骨細胞が出現していた.歯肉溝からの歯周病原細菌由来LPSの投与は破骨細胞増加を誘導した.BDL群では,対照群より有意に破骨細胞数は増加し,その増加は相加的であった.よって,γ-GTPは骨芽細胞のサイトカイン産生促進やRANKL/OPGバランスの変化を誘導することによって破骨細胞形成を促進することが明らかとなった.また,胆汁うっ滞性肝疾患患者では,血清γ-GTP上昇による破骨細胞性骨吸収誘導を介した骨密度や骨量減少が生じることが示唆された。また,この様な患者における血清γ-GTPの上昇は,歯周炎の際の歯槽骨破壊のリスクファクターになると推察された.
|