2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガレクチン3による炎症性骨破壊制御:新規レセプターに関する分子組織学的研究
Project/Area Number |
21592332
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
李 銀姫 Kyushu University, 歯学研究院, 助教 (90457424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 敏夫 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70150464)
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30153266)
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Keywords | ガレクチン3 / 炎症性骨破壊 / 組み替え蛋白質 / 新規レセプター |
Research Abstract |
ガレクチンはβガラクトシドを持つ糖鎖に結合するレクチンであり、現在までに15種類のものが発見されている。ガレクチン3は唯一のキメラタイプのガレクチンで、1個の糖鎖結合ドメイン(CRD)とN末端側領域から構成される。ガレクチン3は細胞増殖・分化やアポトーシス、を制御するという広範な活性を有することが知られており、マクロファージによる貧食や炎症にも関与する。多くの場合、CRDがβガラクトシドを持つ糖鎖に結合することによってその生理活性を生じる。炎症条件下、ガレクチン3の発現が増強されることが知られているが、その役割は不明であった。申請者らは炎症性骨破壊の場で発現が上昇するガレクチンが骨破壊を負に制御すことを最近明らかにした(Li Y-J. et al. Lab. Invest. 2009)。まだ、ガレクチン3による破骨細胞形成と機能の阻害には、ガレクチンの本来のリガンド結合部位である糖鎖結合領域(CRD)ではなく、N末端側の糖鎖結合部位をもたない領域が重要であることを強く示唆する所見を得た。このことはガレクチン3のN末端ドメインが、糖鎖ではない他のリガンドにも結合してその作用を発現する、という報告(Mey A. et al. J. Immunol. 1996)とも関連があるものと考えられる。本研究ではガレクチンN末端側領域のリコンビナント蛋白質(N-gal)を作成し、破骨細胞分化制御に深く関わる受容体を検索・同定することを第1の目的としているが、この点は国内外に例を見ない極めて先駆的で独創的な研究であり、ガレクチン3のN末端側領域は新規骨破壊制御薬の候補となりうると考えられる。本年度の研究ではTAクローニング及びinvitrogen社のT7発現システムを利用してガレクチン3-full length,ガレクチン3-C-末端及びガレクチン3-N末端を含む組み換え蛋白質を作成した。現在、破骨細胞分化のin vitroシステムを用いてこれらの組み換え蛋白質が破骨細胞分化及び骨吸収機能に対する影響を調べる同時に共焦点レーザー顕微鏡を用いてこれらの組み換え蛋白質とRANK及びDC-STAMPの膜表面での挙動との関連も解析している。
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Research Products
(2 results)