2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成におけるシスタチンCと結合タンパクの相互作用と機能解析
Project/Area Number |
21592333
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山座 孝義 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 助教 (80304814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 瑞穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (60253457)
渡邉 敏之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 学術研究員 (70367522)
大崎 康吉 九州大学, 大学院・歯学研究院, 講師 (70117076)
|
Keywords | 骨芽細胞 / 骨形成 / シスタチンC / 酵母Two-hybrid / マウス / S100B |
Research Abstract |
シスタチンCは、分子量11kDaの非糖鎖性の一本鎖のポリペプチドで、タンパク分解酵素であるシステインプロテアーゼインヒビターの一種として知られている。細胞外に分泌されるシスタチンCは、唾液や乳汁・尿・脳脊髄液にも多く含まれている。近年、シスタチンCがES細胞から神経幹細胞への分化を促進することや、海馬の細胞の増殖因子として働くとの報告もある。骨については、シスタチンCが破骨細胞の骨吸収能を抑制することや、破骨細胞の分化を抑制すること、骨芽細胞様細胞のMC3T3-E1細胞において培養中期と後期でシスタチンCのmRNAが上昇することが報告されている。そこでシスタチンCの作用機序を知ることを目的として結合タンパクの探索を行い、候補タンパクとして得られたS100Bとの相互作用を検索した。培養骨芽細胞あるいは間葉系幹細胞へのシスタチンC添加により、骨形成マーカーの変化を定量PCRにより検索し、Runx2(runt-related gene2), beta-catenin,アルカリフォスファターゼ,などの発現が上昇していることが確認された。またシスタチンCとS100BのGST融合蛋白を作製し、相互作用を検索した。GST-pull down assayによりシスタチンCとS100Bの相互作用がマウスの脳および骨組織において確認された。骨組織のおけるS100B蛋白の発現は脳組織に比較すると少ないことやシスタチンCに結合する蛋白が他にもあることから、S100B蛋白へ結合しているシスタチンCは容易に同定できたが、シスタチンCに結合するS100Bを同定するのは困難であった。S100Bがカルシウム結合蛋白であることから、相互作用におけるカルシウムなど2価イオンの存在の影響を比較した。そして、pull down assayにおいて、その結合にカルシウムの存在が必要であることが示唆された。
|