2011 Fiscal Year Annual Research Report
ラット舌炎症モデルを用いた脈管内皮細胞の増殖分化機構の解明
Project/Area Number |
21592348
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
黒田 範行 鶴見大学, 歯学部, 助教 (50359915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 哲二 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10162447)
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Keywords | 舌炎 / LPS / アデノシンレセプター / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、ラットの舌にLPSとアジュバントを混合して接種することで、舌炎の動物実験モデルを確立し、その炎症の発症過程において血管造成因子であるVEGF遺伝子の発現量が上昇していることをリアルタイムPCRの手法を用いて測定することで明らかにし、その発現細胞はマクロファージ、ランゲルハンス細胞といった抗原提示細胞の一部が発現していることを明らかにした。 この際に、アデノシンレセプターA2a、A2bのアンタゴニストを同時投与したところ顕著に血管造成が減弱したことから、LPS+アジュバントによる刺激はTLRを経由してシグナルが入るが、その下流に存在するアデノシンレセプターを介して、VEGF遺伝子発現を制御しているという機構が明らかになった。 舌中に遊走してくるマクロファージ、ランゲルハンス細胞などの抗原提示細胞と、舌以外で採取された抗原提示細胞との間での遺伝子発現パターンの差を見ることを目的に、腹腔へのチオグリコール培地の摂取に伴って遊走してくるマクロファージと、舌へのLPS+アジュバントの接種で遊走してくるマクロファージを採取してそこよりRNAを抽出してリアルタイムPCR法によって各種遺伝子の発現パターンを比較したが、有意差は見られなかった。 ランゲルハンス細胞のマーカーであるランゲリンに対する抗体等を用いて、マクロファージ以外の抗原提示細胞を舌から単離する試みをおこなったが、採取できた細胞数が少ないために解析を試みることができなかった。舌からのこれらの細胞の単離効率を良くすることがこの研究を進めていく上での、今後の課題である。
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