2011 Fiscal Year Annual Research Report
「ヒトパピローマウイルスの口腔病理学」に基づいたヒト体性幹細胞の寿命制御
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21592351
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
寺井 政憲 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (70359917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所・生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
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Keywords | 再生医学 / 病理学 / 遺伝子 / ウイルス / 細胞・組織 |
Research Abstract |
ヒト体細胞を用いた再生医療の研究においても、必要な十分量の細胞数を得るのは困難であり、再現性を確認するのも一般に困難である。本研究は種々の組織由来の多分化能を有するヒト由来間葉系幹細胞(骨髄、臍帯血、月経血、末梢血など)について細胞寿命延長の機構の詳細を明らかにし、さらに臨床応用へ向けて細胞にダメージを伴わない遺伝子導入法による細胞延命増殖の方法を確立し、細胞をできるだけ正常なまま寿命延長する方法を開発することを目的として研究を遂行してきた。細胞の寿命を腫瘍化させずに延長させる実験系を中心に用いて本研究を行った。さらに目的とする組織への最終分化させる手段の開発にも着手している。今回はヒトの胎盤から樹立した細胞をデュセンヌ型筋ジストロフィーのモデルマウスに移植し、生着させることに成功したことを報告した。このヒト胎盤由来の細胞が免疫能を有するモデルマウスにもかかわらず、免疫学的に拒絶されることなく生着したことも新たな知見である。胎盤の細胞は免疫学的に寛容であることが考察される。難病であるデュセンヌ型筋ジストロフィーの治療に再生医療が応用できる可能性を示すことができた。今後も細胞をできるだけ正常なまま寿命延長する方法の開発、RNA干渉法、PTDタンパクによる細胞延命増殖の検討、皮膚、眼、歯牙組織、骨、軟骨、膵β細胞、肝臓などの実質臓器について構成組織、成分ごとの細胞の培養法、増殖法の確立を進めていく。内分泌細胞については機能を損なわずに細胞数を確保するための培養方法が確立されつつあるが、更なる検証が必要な段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独立行政法人国立成育医療研究センター研究所のバイオリソースを有効に活用することができる状態にあるので、研究を推進しやすい状況にある。その過程において、皮膚、眼、歯牙組織、骨、軟骨、膵β細胞、肝臓などの実質臓器について構成組織、成分ごとの細胞の培養法は確立されてきているが、増殖させる方法は困難であり、その中でも期待されている内分泌細胞については機能を損なわずに細胞数を確保するための培養方法の確立には多くの検証が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオリソースを有効に活用することで、研究を効率的に進めていく。貴重なサンプルについては確立された培養法で速やかに細胞を培養し、増殖させる方法の開発に専念する。内分泌細胞については、機能を損なわずに細胞数を確保するための培養方法の確立を第一にさらなる検証を継続していく。
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Research Products
(1 results)