2011 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体によるMcl-1発現制御が癌細胞増殖・転移に与える影響とそのメカニズム
Project/Area Number |
21592357
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 孝一郎 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90263467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上崎 善規 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (40116017)
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Keywords | 核内受容体 / Mcl-1 / PPAR / 扁平上皮癌 / 増殖 / 転移 / 癌治療 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
本研究では核内受容体であるPeroxisome proliforator-activated receptor (PPAR)が、アポトーシス関連因子といわれているMyeloidcellleukemia-1 (Mcl-1)の発現を制御することにより癌細胞の増殖・浸潤・転移に影響を与える可能性を検討し、さらにMcl-1が癌治療のターゲットとなる可能性まで追求することを目的とした。我々はPPARをはじめとする核内受容体が癌細胞の生存・増殖に重要な役割を果たしていることを報告してきたが、より詳細な検討を行うため癌細胞においてPPAR系によって発現を制御されている遺伝子群をDNA microarrayを用いて網羅的に解析した。その結果、癌細胞でMcl-1の発現が制御されていることを見出した。Mcl-1は造血系細胞では重要なsurvival factorとして抗アポトーシス作用を有することが報告されているが、癌細胞における役割については不明であった。我々はヒト口腔扁平上皮癌組織において実際にMcl-1が高発現していることを見出した。このMcl-1の転写調節領域にはPPREが存在しており、その発現がPPAR経路によって制御されていること、さらにMcl-1の発現をsiRNAを用いてノックダウンしたところ、癌細胞の増殖・浸潤が抑制されることを確認した。さらに新たな癌細胞増殖・浸潤関連分子として、Aquaporin3 (AQP3)の存在が明らかになった。この分子もMcl-1と同様にPPAR経路によって発現調節されており、扁平上皮癌細胞において高い発現が認められた。siRNAを用いてAQP3をノックダウンしたところ、やはり癌細胞の増殖が抑制された。これらの結果はPPAR経路を中心としたMcl-1やAQP3などの分子が、癌細胞の増殖・浸潤に重要な役割を果たしていることを示したものであり、本成果は国際外国雑誌や各種学会において報告された。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Leptin acts as a growth factor for colorectal tumours at stages subsequent to tumour initiation in murine colon carcinogenesis2011
Author(s)
Endo H, Hosono K, Uchiyama T, Sakai E, Sugiyama M, Takahashi H, Nakajima N, Wada K, Takeda K, Nakagama H, Nakajima A.
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Journal Title
Gut
Volume: 60
Pages: 1363-1371
Peer Reviewed
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[Journal Article] Role of the long form leptin receptor and of the STAT3 signaling pathway in colorectal cancer progression2011
Author(s)
Uchiyama T, Takahashi H, Endo H, Sugiyama M, Sakai E, Hosono K, Nagashima Y, Inayama Y, Wada K, Hippo Y, Nakajima A.
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Journal Title
International Journal of Oncology
Volume: 39
Pages: 935-940
Peer Reviewed
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