2011 Fiscal Year Annual Research Report
Sox9ユビキチン化酵素発現異常と骨格系発達異常および神経障害との関連
Project/Area Number |
21592359
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
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Keywords | Sox9 / ユビキチン / プロテオミクス解析 / 内軟骨性骨形成 / 神経疾患 |
Research Abstract |
内軟骨性骨形成過程においてSox9は間葉系細胞が軟骨細胞へと分化する方向性を決定する転写制御因子として知られており、Sox9の活性の厳密な調節が正常な骨格形成に必要だと思われる。本課題では、Sox9の細胞内量を調節するSox9特異的ユビキチンリガーゼを同定し、このユビキチンリガーゼによるSox9の細胞内量調節が内軟骨性骨形成に及ぼす影響を調べる事、さらにこのユビキチンリガーゼにおける変異が重篤な神経疾患を引き起こしていることが以前より報告されているため、ユビキチンリガーゼの異常によるSox9の分解不全と神経疾患との関わりについて明らかにすることが最終目的である。最終年度である今年度は得られた以下の研究成果を国際情報誌に発表している。 1.Sox9を過剰発現した軟骨細胞抽出液から精製したSox9結合蛋白の解析により、ユビキチンリガーゼが単離された。 2.このユビキチンリガーゼとSox9断片を酵母内で共発現する事により、Sox9中のユビキチンリガーゼ結合部位はHMGドメインである事が明らかとなった。 3.Sox9はユビキチンリガーゼ、ユビキチン発現ベクターとの共発現で細胞内で効率良くユビキーチン化される事、また、それぞれのリコンビナント蛋白によりin vitroでもユビキチン化される事が明らかとなった。 4.Sox9発現ベクター、ユビキチンリガーゼ発現ベクター導入による細胞内での異所性発現により両者は核内での部分的な共局在が観察された。 5.骨形成におけるSox9,ユビキチンリガーゼの役割を調べるために、胎生期の長管骨をそれぞれの抗体で免疫染色すると、Sox9は前肥大軟骨層および骨端軟骨辺縁部で強い発現を示すが、ユビキチンリガーゼの発現はそれらの領域で非常に弱く発現している事が明らかとなった。 6.ユビキチンリガーゼを発現ベクター導入により胎生期肢芽より単離した軟骨細胞に過剰発現させたところ、ユビキチンキナーゼ発現により,細胞内Sox9濃度の低下に伴う2型コラーゲンプロモーター活性の低下、アグリカンmRNAの低下が観察された。 7.ユビキチンリガーゼをsiRNA導入により軟骨細胞でノックダウンし、Sox9の活性におよぼす影響、細胞内Sox9量の減少、軟骨細胞マーカー遺伝子発現の変化を確認したところ、細胞内Sox9濃度の上昇に伴った2型コラーゲンプロモータ活性の上昇、アグリカンmRNAの増加が観察された。 8.ユビキチンリガーゼ欠損マウスより調製した神経細胞抽出液では、Sox9の蓄積のみでなく、Sox8,Sox10も蓄積している事が明らかとなり、これらが神経疾患の誘発に結びついている可能性が示唆された。
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[Presentation] Characterization of the effect of CCN2 modules independently and in different combinations on chondrocytic cells2011
Author(s)
Abd El Kader, T., Kubota, S., Nishida, T., Hattori, T., et al.
Organizer
A meeting sponsored by the International CCN society
Place of Presentation
Vancouver, BC, Canada
Year and Date
20110924-27
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