2009 Fiscal Year Annual Research Report
CCN2結合性ペプチド・RNAアプタマーの開発と組織再生・疾患治療への応用
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21592360
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 聡 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
青山 総理子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
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Keywords | CCN family / aptamer / CTGF / chondrocyte / peptide |
Research Abstract |
1. CCN2を標的とするアプタマー開発の基本となる、組換えヒトCCN2タンパク質を複数種収集した。これには大腸菌で作成したもの、哺乳類細胞で作製したものなどが含まれる。このうちの1つに対し、CCN2の高次構造を認識する抗体を用いてフォールディングの状況を検証したところ、確かに本抗体により認識されることが確認された。まずはこの組換えCCN2を用いて研究を進めることが可能ととなった。 2. Phage display libraryを用いて、CCN2に結合する12残基からなるペプチド配列の同定を試み、その結果数十種類の配列を実験的に抽出することに成功した。得られた情報に基づき、in silico解析を経て8-12残基からなるペプチドアプタマーを数種試作した。 3. 続いて1で有用性が確認された組換えCCN2を用いて、2で合成した各ペプチドアプタマーのCCN2への結合を表面プラズモン共鳴法により評価した。センサーチップに組換えCCN2を固定し、そこにペプチドアプタマー水溶液を接触させて両者の結合を定量的に評価したところ、合成したペプチドの半数程度でCCN2への特異的な結合が確認できた。 4. さらに3で結合の確認できたペプチドアプタマー2種に対し、CCN2を介した細胞生物学的効果の検証にまで進んだ。まずCCN2を常時大量に生産しているヒト軟骨細胞様HCS-2/8細胞株を用いて、その細胞増殖に対する影響を放射性チミジンの取り込み量で評価した。その結果、2種のペプチドのうち1つが、HCS-2/8細胞の増殖を有意に促進することが見出された。しかしその一方で、残る1つのペプチドには、そのような効果も増殖阻害的効果も認められなかった。興味深いことに、このペプチドは3でのCCN2への結合評価では、先のアプタマーより強いCCN2への親和性を示していた。今回見出されたペプチドアプタマーの1つは、CCN2による軟骨細胞の増殖促進を賦活する効果を有することから、アプタマーの軟骨組織再生医療における応用に向けて可能性を開いたと言える。
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