2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性プロテアーゼの分泌機構解明とその制御法探索
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21592364
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
筑波 知子 (門脇 知子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (70336080)
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Keywords | プロテアーゼ・アドヘジン / 膜輸送・分泌 / 二成分制御系 / 細菌 / シグナル伝達 / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究は、歯周病原性細菌P.gingivalisにおける病原性プロテアーゼ・アドヘジン(付着因子)の膜輸送・分泌機構、および高分子複合体形成機構を解明し、歯周病の新たな制御法開発に発展させることが目的である。P.gingivalisの分泌・膜輸送に障害が起こると、病原性因子であるプロテアーゼや血球凝集素など付着因子が分泌されなくなる。このような表現型を示す遺伝子変異株のうち、7つの遺伝子は分泌装置本体をコードし、別の2遺伝子は二成分制御系をコードすると考えられた。二成分制御系は細菌における環境センシングとそれに基づく代謝の制御を行なう機構であり、環境状態を認識するセンサーキナーゼと下流のイベントを調節するレスポンスレギュレーターで構成される。本研究では、遺伝子PGN1019(porX)とPGN2001(porY)について、組換えタンパク質を作製し、機能を調べたところ、PorYは[^<32>P]γ-ATP存在下で自己リン酸化を起こし、PorY上のリン酸基は時間依存性にPorXに転移されることがわかった。PorYとPorXの相互作用はBIA-CORE生体分子相互作用解析装置によっても確認され、両者が二成分制御系を構成することが示された。さらに外界に反応して転写を調節するECF(Extracytoplasmic function)シグマ因子をコードすると考えられるPGN0274遺伝子変異株も、これら分泌装置遺伝子の転写が起こらず、プロテアーゼ・アドヘジンの分泌障害を示すことがわかった。このことは、本菌の病原性因子分泌が、多重制御を受けて、巧みに調節されていることを示唆している。PorX-YシステムとECFシグマPGN0274を両方欠損させると、相加的に、ほぼ完全に分泌装置転写発現が抑制された。今後、さらにこの調節機構を詳しく解析する。
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Research Products
(1 results)