2010 Fiscal Year Annual Research Report
AIRE核内輸送阻害解析による新たな口腔免疫疾患発症論理の提示
Project/Area Number |
21592392
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 恭明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80253673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 善隆 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60304276)
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Keywords | 胸腺 / AIRE / デキサメタゾン |
Research Abstract |
AIREは主として胸腺髄質上皮細胞(TEC)に発現し,自己組織特異的抗原の発現を制御する核内転写制御因子である。組織培養系を用いた予備実験でデキサメタゾン(Dex)が胸腺髄質細胞におけるAIREの核内輸送を阻害する所見を示したことから、昨年度はAIREを安定発現させたHela株を用いてDex添加におけるAIRE局在の変化を共焦点レーザー顕微鏡を用いて検索したが、有意な結果は得られなかった。 そこで本年度は、まずAIRE,を安定発現させたTEC株を作成し、同様の実験を行った。しかしながら、本細胞においても有意な結果はみられなかったため、さらに国立感染症研究所の笠井道之先生がdoxycyclin(dox)誘導型Oct-4遺伝子導入マウス胸腺から確立した前駆型TEC株(pTEC002)を用いて、より未分化なTECにおけるAIRE発現を観察した。Real-Time PCRでは、dox添加に伴い、Oct4の発現は上昇し、かつCD80の発現は減少した。しかしながらOct4発現によるAIRE発現量の増減や局在の変化はみられなかった。現在は、pTECを正常TEC株と混和して腎皮膜下への移植してpTECの分化とAIREの発現を検索している。 一方、株化されたTECは扁平上皮へと分化すること、すなわち上皮幹細胞としての性格を保持することが示された(Bonfanti P, et al. Nature 466(19)978-)。これを勘案すると、誘導型Oct-4pTec株は、さらに未分化な上皮幹細胞としての性格を有する可能性がある。本テーマで研究を進めると同時に、歯胚間葉系細胞と混和して組織培養することにより、pTEC細胞の歯胚上皮への分化をも現在検索しているところである。
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