2011 Fiscal Year Annual Research Report
梗塞性心臓血管疾患リスク患者の早期スクリーニングのための口腔衛生指標の開発
Project/Area Number |
21592404
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
田口 明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70243582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 伸夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
東 幸仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40346490)
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Keywords | かくれ脳梗塞 / 口腔衛生 / MRI / 梗塞性心臓血管病変 / 予防医学 |
Research Abstract |
前年度までには、研究の参加に同意の得られた84名の男女(男性44名、女性40名:平均年齢58歳)の解析を終了した。84名のうち、MRI検査にてかくれ脳梗塞と診断された対象者は49名と非常に高い割合を示した。本研究の最終年度である23年度には更に被験者を追加して、最終被験者数118名(男性57名、女性61名)となった。本被験者の平均年齢(標準偏差)は58.5歳(11.4歳)であった。118名のうち、MRI検査にてかくれ脳梗塞と診断された対象者は67名と、前年度までと同様にやはり非常に高い割合を示した。この被験者数は、当初計画していた被験者数120名とほぼ同等になった。かくれ脳梗塞の数と年齢や体格、生活習慣などの因子および口腔の衛生状態との関係を多変量解析にて評価した。その結果、かくれ脳梗塞の数は、年齢(P<0.001)、高血圧の有無(P=0.034)及び糖尿病の有無(P=0.017)と関係を有した。これは従来報告されているかくれ脳梗塞のメカニズムの観点(高血圧によるずれストレス)から妥当なものと思われた。一方で、歯の喪失(P=0.85)や歯槽骨吸収(P=0.97)などの口腔の衛生状態は有意な関係を有しなかった。従来は梗塞性心臓血管病変は口腔の衛生指標と関連を有すると報告されてきたが、今回の結果は従来の結果とは異なる初めての知見であった。これは、臨床的脳梗塞とかくれ脳梗塞の発症メカニズムの違いや血液脳関門の存在が大きく寄与しているものと思われた。今回の結果は、平成24年6月に日本歯科放射線学会で報告を予定している。
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Research Products
(7 results)