2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療における歯科インプラント周囲の線量シミュレーション
Project/Area Number |
21592405
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
内藤 宗孝 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (20167539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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Keywords | 線量 / シミュレーション / 放射線治療 / 歯科インプラント / 下顎モデル |
Research Abstract |
放射線治療における歯科インプラント周囲の正確な線量分布を測定することは難しい。そこで、モンテカルロ法により、放射線治療における歯科インプラント周囲の線量分布をシミュレーションすることを目的とした。すでに、モンテカルロ法によるインプラント周囲の線量分布のシミュレーションを終えた。そこで、実測値との比較検討を行った。乾燥下顎骨の左側第一大臼歯部周囲4点(近心側、遠心側、頬側、舌側)にTLD素子(MBO)を配置した。第一大臼歯部から1cm舌側の位置に^<137>Cs線源(ペレット状)を配置し、線量を測定した。乾燥下顎骨は直径16cmの円筒形の水槽に入れた。インプラント体のある場合とない場合で24時間ずつ照射を行い比較した。測定は3回ずつ行い平均した。 実測のにおいてインプラントがある場合の吸収線量をインプラントがない場合と比較すると、近心側で-5.5%、遠心側で+12.1%、舌側で+0.6%、頬側で-47.9%となった。TLD素子のバラツキと測定誤差を考慮すると、頬側の測定点以外はインプラントの有無で吸収線量はほぼ変化しないと考えられた。シミュレーションの結果からは吸収線量の増加はインプラントから1mm以内で生じており、TLD素子でこの部分の吸収線量を正確に測定するのは困難と考えられた。モンテカルロシミュレーションにより、照射側のインプラント近傍で吸収線量が増加することがわかった。増加量は照射エネルギーが高いほど多くなり、外照射の場合最大で40%増加することも考えられる。この吸収線量の増加が骨壊死のリスクを増加させるかどうかは、今後実際の症例での検討が必要であると考えられた。
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