2010 Fiscal Year Annual Research Report
クロライドチャネル関連分子CLCAによる細胞増殖・接着の制御
Project/Area Number |
21592407
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (00224056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 純 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50230397)
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Keywords | クロライドチャネル / 発生・分化 / 細胞増殖 / 細胞接着 / p63 / 再構築モデル |
Research Abstract |
ラットの正常口腔粘膜および皮膚の重層扁平上皮層において、2つのCLCA subtypes(trCLCA,fullCLCA)の局在について、「trCLCAは基底細胞層、fullCLCAはそれより上層の主として有棘細胞層にタンパク質レベルでの局在がみられた。p63の局在は、trCLCAとほぼ同様であったが、傍基底細胞層の細胞の陽性像を始め、trCLCA陽性細胞より広いpopulationの細胞に分布していること」を平成21年度に示した。 本年度は、最長でair lift後、7日間ほど維持できるin vitroでの再構築モデルを完成させることができた。このモデルは、keratinocyteの平面的なシート状増殖→重層化→角化という重層扁平上皮の分化をほぼ忠実に再現した。これらの上皮の経時的な分化の過程は、胎生期~新生児期の発生過程よりむしろ、創傷後の再生過程に類似していた。しかし、7日以後、基底細胞および傍基底細胞のviabilityが急速に衰え、分化完了後の上皮組織を長期間維持することは、まだ実現できていない。 trCLCA、fullCLCA、p63の局在もin vivoの両組織とほぼ同等で、サイトケラチンのサブタイプCK10,CK14などを使ったケラチン・プロファイルも非常にin vivoの組織と近似した局在を示した。分化完了後の重層扁平上皮には、in vivo,in vitroの再構築モデルともにKi-67陽性像はほぼ皆無であったが、分化途上の再構築モデルでは、Ki-67やmitosisにより評価される細胞増殖能が比較的旺盛であった。
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