Research Abstract |
歯髄組織の再生を目的とし,予備実験として,正常ラット歯髄の有する機能の検索,正常ラット歯髄の有する再生能・免疫能の検索,および,血管内皮細胞に速やかに血管新生を起こさせるための因子の検索を行った.ラットに実験的に歯髄炎を誘発させた後の,歯髄,歯周,および脳神経組織を,免疫組織化学的および分子生物学的手法(マイクロアレイ,real-time PCR,RT PCRなど)を用い検索した.結果として,局所のみならず中枢神経系においても,抗原提示細胞を主体とする抗原提示細胞が組織の恒常性に重要な意義を有していることが,解った. また,ラットの臼歯歯髄組織を検索対象とし,下顎臼歯を下顎骨より抜去後,培養液中で,1-7日間培養し,一定期間経過後の象牙芽細胞・免疫担当細胞・血管内皮細胞などの形態学的変化・遺伝子発現量の変化を,免疫組織化学的・分子生物学的に検索する実験を行っている.さらに.ラット臼歯に足場を移植し,どのように組織の再生が生じるかの実験を進行中である. 2009年度の,主たる研究成果を以下に示した. 1.2009年,日本歯科保存学会学術賞を受賞した. 2.パラフィン標本から免疫染色を行い,レーザーマイクロダイゼクションした後に,RNAを抽出検索する方法を世界で初めて報告した.この結果は,国際的学術誌『Microscopy Research and Technique』に掲載された.
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