2011 Fiscal Year Annual Research Report
正常免疫機能を保持した歯髄組織を再生するための分子生物学的研究
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21592411
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金子 友厚 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70345297)
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Keywords | 歯内療法 / 歯周組織 / レーザーキャプチャーマイクロダイゼクション / 組織再生 / 抗原提示細胞 / マクロファージ / 幹細胞 / 歯髄 |
Research Abstract |
再生歯髄組織に正常な免疫系を保持するための検索を行った。ラット臼歯を顎骨ごと組織培養し、組織中の常在性マクロファージおよび樹状細胞の動態を、レーザーキャプチャマクロダイゼクションによる手法などを用い分子生物学的・免疫組織化学的に検索し、常在性マクロファージが、組織の炎症において、重要な働きを行っていることを報告した。また、歯髄炎が起きると、視床内にN-methyl-d-aspartateレセプターの活性化が起こることを報告した。 また、スキャホールドへ幹細胞を移植したところ、再生歯髄組織内において、CD68陽性のマクロファージが、幹細胞より分化することを、免疫組織学的、分子生物学的に同定した。さらにこれらのCD68マクロファージは、再生歯髄組織の成熟とともに、貧食細胞から抗原提示細胞へと分化し、再生組織の恒常性の維持に関与することを報告した。 以上の結果は,再生歯髄組織中に、正常免疫機能を保持した歯髄組織を再生できたことを示唆しており、本研究の目的を達成できたと考えられた。 本研究の成果は、Brain Research, Journal of Endodontics, Methods Mol Biolなどの著名な国際誌に掲載された。さらに申請者は、ドイツのミュンヘンで開催された53rd Symposium of the Society for Histochemistry、Current Role of Histochemistry in Preclinical and Clinical Research.2011.(演題Immune laser capture microdissection of macrophages in engineered dental pulp tissues)においてPoster Awardを受賞した。 また、我々の考案したLaser Capture MicrodissectionによるRNA抽出法を説明した英文教科書が出版された。
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