2009 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的トモグラフィーを用いた修復物の欠陥と二次う蝕の精密画像診断
Project/Area Number |
21592415
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
島田 康史 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 助教 (60282761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 順次 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
角 保徳 国立長寿医療センター, 先端医療部, 医長 (30187801)
倉林 亨 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60178093)
北迫 勇一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (30361702)
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Keywords | OCT / う蝕 / 辺縁封鎖性 / 内部欠陥 / コンポジットレジン |
Research Abstract |
生体の断層構造を非侵襲的に、光学組織切片に近い精度で画像化できるOCT(Optical Coherence Tomography)は、従来の画像診断技術では検知困難な病変や変化を、臨床の現場で同時性を持って捉えることが期待される。そこでOCTによる咬合面、接着修復物の辺縁漏洩、コンポジットレジンの内部欠陥の検出性について検討し、OCTの臨床導入への可能性を調査した。 咬合面小窩裂溝う蝕の診断:咬合面う蝕の診断にOCTを用いて調査し、実際に歯を半切して走査型共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)により観察した結果と比較した。結果、咬合面う蝕の診断にOCTを用いた場合、う蝕病変部の結晶構造の変化に伴い光の反射や散乱が起こり、う蝕から得られたシグナルとして捉えることができた。 3次元画像構築による辺縁封鎖性の断層像診断:修復物の辺縁漏洩は、知覚過敏や二次う蝕の原因となる一方で、臨床での判別は極めて困難である。特にコンポジットレジン修復では硬化時の重合により収縮することから、辺縁のギャップを早期に発見する技術開発が望まれる。本実験では、コンポジットレジン修復周囲の辺縁封鎖性について、3次元画像構築による診断を試みた。結果、3次元画像構築から得られた立体窩洞では、ギャップの検出が可能であり、実際に修復物を半切して観察した結果と一致していた。 修復物の内部欠陥の抽出:コンポジットレジン修復物の内部に欠陥が生じた場合、応力集中による亀裂や剥離が発生し、修復物の耐久性に影響を与えることが予測される。コンポジットレジン内部に人為的に作成した欠陥の抽出を試みた。結果、コンポジットレジン修復物から得られる輝度変換は、欠陥の辺縁部からの強い反射もしくは散乱によるものであることが確認され、修復物の非破壊的な断層画像検査へむけて今後の臨床応用に大きな期待を抱かせるものであった。
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