2009 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質・歯髄複合体の修復再生機構の解明-組織培養法を用いた歯髄細胞の動態解析-
Project/Area Number |
21592417
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉羽 邦彦 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (30220718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10323974)
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
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Keywords | 象牙質・歯髄複合体 / 歯髄組織幹細胞 / 組織培養法 / αSMA / 非コラーゲン性タンパク / 半導体レーザー |
Research Abstract |
象牙質・歯髄複合体の修復再生過程における歯髄細胞,特に歯髄組織幹細胞/前駆細胞の動態,分化ならびに硬組織形成機構の解明を目的として,ラット臼歯における半導体レーザー照射後の歯髄反応を免疫組織化学的に観察するとともに,組織培養法を確立し,この系における歯髄組織変化について検討した。 1.半導体レーザー照射後のラット臼歯歯髄反応 8週齢ラットの上顎第一臼歯に,出力0.5Wもしくは1.5W,60秒×3回照射の条件で半導体レーザー照射を行った。低出力条件(0.5W)では,明瞭な細管構造を有する象牙質様新生硬組織の形成が照射部直下に観察され,この新生硬組織と原生象牙質との境界部にdentin matrix protein-1(DMP-1)陽性反応が認められた。一方,高出力条件(1.5W)では不規則もしくは骨様の新生硬組織が多量に形成され,原生象牙質と新生硬組織との境界部にはosteopontin(OPN)およびDMP-1陽性反応が観察され,さらにDMP-1陽性反応は新生硬組織内にも認められた。このような両出力条件間でのOPNおよびDMP-1の局在の相違は,新生硬組織の形成・石灰化機序あるいは組成の相違を反映している可能性が示唆された。 2.組織培養法におけるラット臼歯歯髄組織変化 4週齢ラット上顎第一臼歯を抜去後メンブレンフィルター上で1~7日間培養し,α-smooth muscle actin(αSMA)陽性細胞の動態について観察した。抜去直後の歯髄では,αSMA陽性細胞は血管に沿って局在して観察された。一方,培養歯の歯冠部歯髄は経時的に変性像を示したが,根尖部ではαSMA陽性の線維芽細胞様細胞が培養2日後から出現し,経時的に増加して観察された。これらの結果から,αSMA陽性細胞が歯髄組織修復に何らかの役割を果たしている可能性が示唆され,今後,硬組織形成との関連性について検討を加える予定である。
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Research Products
(10 results)