2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯科騒音低減デバイスの開発を目指した骨伝播波動計測モデルによる骨導特性の解明
Project/Area Number |
21592418
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 朋美 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員 (70452448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
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Keywords | 歯科切削 / 骨導 / 高周波 |
Research Abstract |
歯科治療では、歯を削るために歯科用エアタービンハンドピースという器具を用いる。この歯科用タービンから発生する音は、多くの患者に不快と感じられており対策が必要とされる。そこで、我々は患者が不快感を軽減できる歯科騒音低減デバイスの開発を目指した研究課題に取り組んでいる。 歯科タービンの音には豊富な高周波が含まれており、昨年度の調査で、若年者においては20kHz近くまで知覚可能であることを確認し、年齢によって知覚可能な周波数帯域が異なることを明らかにしている。効果的に歯科騒音の不快感を低減するためには、高周波域の知覚の差と不快感の間にどのような関係があるかを明らかにすることが必要不可欠な課題である。そこで今年度は、知覚可能な周波数帯域の差と主観的印象との関係について明らかにすることを目的として以下のように検討した。 歯科タービン音原音を編集して作成した複数のテスト音をスピーカーにてボランティアに呈示し,知覚可能周波数帯域に関するデータ収集を行った。その結果から、16kHzまでを知覚できるグループと、16kHz以上も知覚できるグループの2グループに分け、両グループの被験者に歯科切削音を用いた主観的印象評価実験を行った。 その結果、高周波帯域まで知覚できるグループの方が、歯科切削音をより不快に感じやすく、両グループ間に有意な差が認められた。とくに、音のラウドネス(大きさ)が小さくなるほど、周波数帯域の聞こえの差が主観的評価に影響を与えることがわかった。歯科騒音低減デバイスの開発においては、患者の知覚周波数範囲に応じた対応が必要であることが示唆された。 今年度の結果をふまえ次年度も継続して研究を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)