2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨髄間葉系幹細胞を用いた象牙質・エナメル質複合体の再生に関する研究
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21592420
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊澤 俊次 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20273998)
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Keywords | ヒト骨髄間葉系幹細胞 / TNFα / エムドゲングル / ペプチドハイドロゲル / 象牙芽細胞分化 / 象牙質再生 |
Research Abstract |
ヒト骨髄間葉系幹細胞を用いた象牙質・エナメル質複合体の再生を研究目的に, 平成21年度は,これまでの研究を継承してヒト骨髄間葉系幹細胞が象牙芽細胞に分化し,象牙質を再生する再現実験を行った.従来の実験は,サイトカインにはTNFαとエムドゲインゲル,スキャホールドにはコラーゲングルを用いたが,本研究では人工合成のスキャホールドとしてペプチドハイドロゲルを用いて行った.その結果,分化細胞組織が蛍光抗体法および酵素抗体法により,オステオカルシンに対する陽性反応を示し,アリザリンレッド染色でも陽性反応を示した.さらに位相差顕微鏡による形態観察では細胞外に象牙質様組織を認めた.これらの結果より,ヒト骨髄間葉系幹細胞は,エムドゲインゲルとTNFαを組み合わせた分化因子と,ペプチドハイドロゲルなどの適切な人工合成されたScaffoldを用いることによっても,象牙芽細胞に分化し象牙質を再生することが示唆された.これは,象牙質再生の再現実験であり,将来的により安全で規格化された人工合成のスキャホールドの臨床応用の可能性を示唆しており有意義である.さらに,今年度の計画に基づき,象牙質基質外側にエナメル芽細胞の分化・エナメル質の再生を促すサイトカインの検索を行った.具体的には,エナメル質を再生させるための象牙質様組織境界の基質にはBDマトリゲルを用い,マトリゲルに含まれる各種サイトカインの効果を期待して行ったが3次元形態付与が不十分で,次年度はこれらの問題を改善し,他の有望なサイトカインも用いてさらにエナメル質再生実験を継続して行う予定である.
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Research Products
(2 results)