2010 Fiscal Year Annual Research Report
迅速大量増幅に基づく多能性幹細胞利用による画期的な硬組織再生治療の臨床展開
Project/Area Number |
21592427
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 毅 長崎大学, 病院, 講師 (90244079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 香 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20578330)
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Keywords | キトサン / 足場材 / bFGF / エンドトキシン / 経時的溶出量 |
Research Abstract |
【目的】組織内で細胞の増殖と分化誘導を行い、正常組織や臓器を再生させる治療の試みが再生医療である。それには増殖と分化に適した場を構築することが重要であり、この再生の場の構築には細胞ならびに細胞増殖因子などの足場材が不可欠である。従来より足場材としての天然高分子としてコラーゲン、ゼラチン、セルロース、ヒアルロン酸やキチン・キトサンなどがあげられる。 そこで今回、組織再生を目指した細胞の足場材として、キトサンから作製した多孔性担体の機械的特性や生体安全性、また細胞増殖因子や液性因子を添加した場合の徐放性について検討した。 【実施計画】スポンジ状に成形したものについての機械的特性には、床置型オートグラフを用い静的引張試験を行い、強度評価を行った。また、安全性についてはスポンジ体のエンドトキシン含有量(EU/ml)の経時的変化率(mAbs/min)を算出した。徐放性を検討するため、細胞成長因子としてrh-bFGFならびにMMP3を各々500ngおよび33ng添加したスポンジ体からの経時的な遊離量はELISA法で計測した。 【実績】機械的特性については、従来の牛由来I型コラーゲンスポンジからなる生体材料に比べ、高い引張強度であることが判った。エンドトキシン溶出量については、0.012EU/mlとなり、注射用水の目安規格値である0.25EU/ml以下であり、十分安全性が確保できていることが判明した。rh-bFGFの徐放性については、1%群では浸漬後1週間経過時に約80%が放出され、2%群では2週間経過時に70%が放出され、4%群では2週間経過時に50%が放出され、その後も持続的に遊離された。同様にMMP3については全てのキトサン群において浸漬直後に約15~20%が放出され、その後は経時的に一定のペースで遊離され続け、5~6週間時に初期添加量の90%以上放出される傾向を示した。
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Research Products
(1 results)