2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜から得た上皮細胞を用いた歯肉様再構成組織の免疫組織学的研究
Project/Area Number |
21592434
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
五十嵐 勝 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (90168104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00177841)
新井 恭子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (10434143)
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Keywords | 歯根膜 / 上皮細胞 / 再構成培養 / 免疫染色 / 移植 / 線維芽細胞 / コラーゲンゲル / ブタ乳歯 |
Research Abstract |
平成23年度は、生後6カ月のブタ下顎骨を入手し、下顎第二乳臼歯を分割抜去後、歯根の中央部歯根膜組織を採取し、上皮細胞と線維芽細胞をブタ乳歯歯根膜から初代培養した。コラーゲンゲル内培養には2~3継代の線維芽細胞を用い、2~3継代した上皮細胞をゲル表面に播種し気相培養した。5週齢のヌードマウス(n=20)に全身麻酔を施し、背部にφ1cmの開窓を作製し、気相培養1週例の三次元培養組織を移植した。移植片は皮下組織に密着するように置き、φ14.5mmのポリスチレン製半球型キャップを載せ、周囲を接着剤で皮膚に貼り付けた。なお、開窓後キャップのみを応用したものをコントロールとした。実験期間を移植後1,3,7,14日としコントロールを含めた5群それぞれに4匹ずつマウスを用いた。実験終了後に移植片と皮下組織を一塊として取り出し、10%中性ホルマリンに浸漬固定した。その後厚さ6μmの連続パラフィン切片を作製し、HE染色および免疫染色を行い光顕にて観察した。その結果、ブタ歯根膜の初代培養14日後に線維芽細胞が外生し、30日後に上皮細胞様の敷石状を示す外生細胞がみられた。移植1、3日後のコントロールでは、HE染色所見で炎症性細胞浸潤がみられなかったが、三次元培養組織を移植した実験群では移植1日後で、移植した三次元培養組織の表層は数層の上皮細胞より成る上皮層がみられ、三次元培養組織に接している皮下組織に炎症性細胞浸潤がみられた。実験群3日後では背部皮下組織と三次元培養組織との境界は不明瞭となり、皮下組織に炎症性細胞浸潤がみられなかったが、三次元培養組織内に著しい炎症性細胞浸潤がみられた。移植7日後のコントロールは1、3日目と同様に炎症性細胞浸潤はみられなかった。一方、実験群は移植後3日目よりもさらに背部皮下組織と三次元培養組織との境界は不明瞭となり良好に生着することが示された。
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Research Products
(2 results)