2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592446
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古谷 暢子 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 助教 (10314387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
前田 芳信 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10144510)
吉仲 正記 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40403034)
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Keywords | 脳波測定 / 味覚 / 触覚 / 温度感覚 / 近赤外分光法 / 実験用口蓋床 / 咀嚼運動 / 官能検査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、義歯装着時に生じる口腔感覚を始めとする変化を客観的かつ詳細に検知することによって口腔機能を評価することである. 初年度は,健常融有歯顎者(男10名、女性10名平均28.3±2.6歳)を対象に、脳活動データとして、口腔内に実験用口蓋床装着時と非装着時において、味覚,触覚および温度感覚刺激時の脳波計測を行った。次に、被験試料の味刺激の有無、また異なるテクスチャーの被験試料を用意して、それぞれの被験試料咀嚼時の脳内総ヘモグロビン量の計測を赤外線酸素モニタを用いて収集し,分析を行った. まず、脳波計側の結果は、実験用口蓋床を装着すると、いずれの感覚刺激の際にもα波含有率は低くなり、それにともないβ波含有率が高くなることから、感知しにくい状態になっていることが客観的に示された。これは、これまで報告してきた各感覚の官能検査の結果とも一致しており、口腔内違和感もしくは不快感が口腔感覚に大きな影響を及ぼすことが示唆された。次に、赤外線酸素モニターを用いた結果は、味刺激の伴わない咀嚼運動や軟らかい被験試料では脳内の総ヘモグロビン量が安静時と比較して有意差は認められなかった。脳活動を活発にするためには味刺激や食品のテクスチャーが大きく関与することが示唆された。
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