2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592446
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古谷 暢子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (10314387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
前田 芳信 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10144510)
吉仲 正記 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40403034)
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Keywords | 脳波測定 / 口唇閉鎖力 / 官能検査 / 実験用口蓋床 / 有床義歯 |
Research Abstract |
本研究の目的は、義歯装着時に生じる口腔感覚を始めとする変化を客観的かつ詳細に検知することによって口腔機能を評価することである. 本年度は平成22年度に引き続き,義歯の満足度と口腔感覚の満足度が関連しているとの報告から,義歯の安定に大きな影響を与える口唇閉鎖力について,中高年齢層(男1名、女性6名平均45.3±5.2歳)と高齢者層(男13名、女性15名平均70.5±1.3歳)での計測を行い,さらに脳活動データの分析も行った.脳活動データとして、有歯顎者では口腔内に実験用口蓋床装着時と非装着時において,義歯装着者では義歯装着の有無において,味覚,触覚および温度感覚刺激時の脳波計測を行った. まず、口唇閉鎖力は,女性では年齢による有意な差は認められなかったが,男性では高齢者層は若年者層および中高年齢層と比較して有意に大きい値を示した.また,全部床義歯装着者(いずれも高齢者層)は,有歯顎者(高齢者層)と比較して有意に小さい値を示し,義歯装着の有無で比較すると,義歯非装着時の方が有意に大きい値を示した(平成24年度日本補綴歯科学会関西支部学術大会にて発表予定).次に、脳波計側の結果は、実験用口蓋床を装着すると、いずれの感覚刺激の際にもα波含有率は低くなり、さらに実験用口蓋床の厚みが薄くなると,α波含有率は高くなって非装着時に近づいた.この結果は若年者と同様の結果を示した.一方,義歯装着者では,義歯装着の有無においてα波含有率に有意な差は認められなかった.このことから,口腔内の床を装着すると,厚みを薄くすると口腔感覚を感知しやすい状態になり,さらに義歯に順応した状態では非装着時と比較して有意な差が認められないことが客観的に示された.
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