2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592456
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 貴子 Kyushu University, 大学病院, 講師 (60128022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
寺田 善博 九州大学, 歯学研究院, 教授 (30038898)
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Keywords | 光触媒 / 抗菌 / 義歯床用材料 |
Research Abstract |
義歯の清掃は難しいため義歯装着者では口腔内環境が悪化しやすく、口腔内の環境の悪化は口腔カンジダ症や誤嚥性肺炎の原因となることが知られている。本実験の目的は義歯材料に光触媒機能を付与し、易清掃性の高い材料を開発することである。ティッシュコンディショナー(ティッシュコンディショナーII、(株)松風)に異なる濃度で光触媒アパタイト(PHOTOHAP、太平化学産業)を混合した試料を作製し、JIS Z 2801に準じて抗菌試験を行った。実験に供した菌はE coli、S aureas、S MutansおよびC albicansである。暗所下で試験片にそれぞれ濃度調整した菌液を滴下し、0.2および4時間の紫外線照射(352nm)後、菌液を回収、希釈した後、寒天培地に播種、培養してできたコロニー数をカウントした。測定結果は一元配置分散分析と多重比較検定により解析した。すべての菌で、10-、15-および20wt%含有試料のCFU値は非含有試料の値より小さく、含有量の増大に伴い小さくなった。またすべての菌で紫外線照射した10-、15-および20wt%含有試料でのCFU値は非照射試料より小さい値を示し、照射時間の長さに伴い小さくなった。このことから光触媒を含有したティッシュコンディショナーは抗菌・抗真菌効果を獲得し、その効果な光触媒濃度と照射時間に依存すると考えられた。抗菌・抗真菌効果はS aureus、S mutans、E coliに比べC albicansでは著しく劣ったが、照射条件の設定で、より高い抗真菌効果をあげることは可能であると考えられる。
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