2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能性に優れたウレタン系軟性裏装材の開発と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
21592462
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
門川 明彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00169533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 隆人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70152791)
|
Keywords | 軟性裏装材 / ウレタンオリゴマー / 臨床試験 |
Research Abstract |
昨年度から継続して,各種多官能性ウレタンアクリレートオリゴマーを主原料とする各種試作試料の歯科理工学的物性の評価を行った.圧縮弾性率,表面硬さ等の物性試験を行った結果,現在市販されている軟性裏装材と近似した値を示す材料も幾つか見受けられ,新しいタイプの軟性裏装材として臨床応用できる可能性が示唆された.また硬化後の軟性裏装材表面に塗布する表面処理材に注目した.実際に表面処理材を応用している市販の軟性裏装材に関して,各種表面処理材の有効性を検証するために軟性裏装材と表面処理材間の接着強さを測定した.多くの材料において,軟性裏装材と表面処理材間の接着強さは,軟性裏装材とアクリル義歯床間の接着強さおよび裏装材自体の強度より大きく,表面処理材を有効に応用すれば軟性裏装材の表面滑沢化や耐久性向上に大きく寄与することが示唆された.これらの研究成果は,第30回日本接着歯学会学術大会において発表を行った.今後,試作ウレタン系軟性裏装材を用いても同様の研究を行い,各種表面処理材と各種試作ウレタン系軟性裏装材間およびアクリル義歯床間での接着耐久性を評価し,臨床的に有効な組み合せを選定していく予定である. また患者サイドの立場から判断した機能性に優れる軟性裏装材の物性を決定するために,鹿児島大学病院臨床倫理委員会の承認を得たうえで継続して臨床試験も実施した.総義歯装着患者にアンケート調査を実施して,実際に患者が好む硬さや弾性率等に関しての臨床に即したデータを収集した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに各種多官能性ウレタンアクリレートオリゴマーを主原料とする各種試作試料の歯科理工学的物性の評価を行った結果,物性的に現在市販されている軟性裏装材と同等およびそれ以上の値を示す材料も幾つか見受けられた.ウレタン系の軟性裏装材が,新しいタイプの軟性裏装材として臨床応用できる可能性が示されている.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施してきた総義歯装着患者に対するアンケート調査による臨床研究で,患者サイドの立場から判断した軟性裏装材の具備すべき理工学的物性に関する基礎的なデータは,ほぼ収集されたと思われる.今後,これらの得られたデータを参考に装着感に優れ機能的な新しいタイプの軟性裏装材の開発を目標に,試作ウレタン系軟性裏装材の実用化に向けての研究を推進していく予定である.
|
Research Products
(6 results)