2010 Fiscal Year Annual Research Report
女性慢性筋性顎関節症患者における中枢性筋収縮抑制不全と下行抑制系機能不全の検証
Project/Area Number |
21592468
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和嶋 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70138105)
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Keywords | 顎関節症 / 熱刺激 / 残感覚 / 中枢感作 |
Research Abstract |
女性慢性筋性顎関節症患者に対し、中枢性感作の評価として以下の研究を行い下記の結果を得た。 [対象]咀嚼筋に疼痛を有すると診断された10人を以下のように患者群と対照群とに分類し、試験対象とした:患者群:咀嚼筋障害を3ヶ月以上を有する慢性顎関節症患者のうち、筋・筋膜性疼痛と診断されかつ中枢感作を生じていると臨床的に評価されたもの5名、対照群:咀嚼筋に限局性筋痛を有する顎関節症患者のうち、中枢感作を生じているとは臨床的に評価できないもの5名。 [試験方法]患者群及び対照群の顔面部及び腕部に熱刺激出力手段(熱刺激板の面積0.28cm^2)を当て、45℃から47℃まで1秒間で上昇させ、47℃を1秒間持続後45℃まで1秒間で降下する熱刺激を11回、合計33秒、繰り返し与えた。熱刺激の終了後、被検部位に残存する感覚(残感覚)の持続時間を測定し、両群間の差を統計的に比較検討した。上記11回の熱刺激後、熱刺激板の温度が45℃以下になった時点を残感覚の開始時間とし、残感覚が消えた時点で被験者に合図をしてもらい終了時間とし、当該開始時間と終了時間との間の時間を持続時間とした。上記のように、被検部位は罹患部位である顔面(三叉神経支配領域)及び三叉神経非支配領域である腕部とする。 [結果]患者群の残感覚の持続時間は顔面部で平均108秒、腕部で平均120秒であった。一方、対照群では顔面部で平均24秒、腕部で27秒であった。患者群における残感覚の平均持続時間は、罹患部位である顔面部において対照群よりも有意に長く、これは三叉神経非支配領域である腕部においても同様の結果が得られた。(顔面:t-test P=0.014,腕:t-test P=0.029)。この結果から、臨床的に中枢性感作が生じていると判断された患者群において熱刺激後の残感覚測定により中枢性感作が容易に判定できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)