2009 Fiscal Year Annual Research Report
レジンセメントの歯質接着性向上に寄与する新規化合物の探索
Project/Area Number |
21592477
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大原 直子 Nihon University, 歯学部, 助教 (80301365)
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Keywords | レジンセメント / 象牙質接着 / 化合物 |
Research Abstract |
本研究は、歯質、特に象牙質接着と化学的に結合する新規化合物を探索し、機械的嵌合のみならず、化学的にも歯質と結合する接着性レジンセメントの開発を最終目標としている。その手段として、象牙質のコラーゲンや、ハイドロキシアパタイトと結合する機能性低分子化合物を利用することを考案した。 本年度は、歯質接着に有効な化合物の選出を開始した。第一段階として、プロテインデータベースから象牙質の主要な構成成分であるI型コラーゲンに結合するモチーフ、カルシウムイオンと結合する領域、骨形成や組織再生にも関わっていることが予想される分子群から可能性のある配列を検索し、ペプチドを合成した。これらのペプチドを歯面処理材あるいはレジンセメントに添加して試作セメントを作製した。ペプチドの安定性、溶解性についても、検討を行っているところである。 また、接着強さの評価をするにあたり、接着試験試料の作製法を検討した。コントロールのレジンセメントを使用して、抜去歯との歯冠修復用コンポジット試片との接着方法、接着試料の切断方法について予備実験を行い、安定した試料を得ることができるようになった。 来年度は、さらに情報収集を行うとともに、候補の化合物のスクリーニングおよび、試作セメントによる微小引張り接着試験を行い、接着強さの評価を行う予定である。ペプチド配列の詳細および、化合物のセメントへの添加方法については、さらに検討を加える必要があると考えている。
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