2011 Fiscal Year Annual Research Report
レジンセメントの歯質接着性向上に寄与する新規化合物の探索
Project/Area Number |
21592477
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大原 直子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80301365)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 昌宏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201071)
|
Keywords | レジンセメント / 象牙質接着 |
Research Abstract |
本研究では歯質と化学的に結合する接着性レジンセメントの開発を目標として、既に明らかとなっているタンパク質のアミノ酸配列の中から、象牙質の主要な構成成分であるI型コラーゲンに結合する領域、カルシウムイオンと結合する領域、ハイドロキシアパタイトと結合する領域などの配列に着目した。それぞれのオリゴペプチドを合成後、歯面処理材あるいはレジンセメントに添加した試作セメントを作製し、ヒト抜去歯と歯冠修復用コンポジット試片を接着した場合の接着強さを微小引張り試験法にて評価するとともに、破断面の観察および接着界面のSEM観察を行った。 本年度は、ペプチドの種類や添加方法を変えて、接着強さを比較検討したところ、レジンセメントそのものに添加するとかえって接着強さを阻害することがあるが、歯面処理材に添加あるいはペプチド液で追加の歯面処理をすることにより効果を得ることができた。しかし、コントロールのセメントと比較した場合に有意差を得ることはできなかった。 セメントの多機能化をめざした検討においては、昨年度に引きつづき、キトサンオリゴペプチドを添加したセメントを作製し、抗菌性効果を検討した。さらに二次う蝕抑制効果の付与を目的として、フッ化ナトリウムを配合した試作レジンセメントを作製した。これらの配合が象牙質接着強さに及ぼす影響について検討したところ、配合量を考慮することにより接着強さを低下させずに機能を付与することが可能であることが明らかとなった。
|