Research Abstract |
固定性補綴装置が装着されているう蝕のハイリスクな高齢患者に,定期的にプロフェッショナルケアを行い,う蝕に関する口腔内環境因子を経時的に比較検討した 本年度は,本学附属病院に通院し,PMTCを1ヵ月に1回,4年間行っている(H18年から継続中)カリエスリスクの高い処置群の6名と,過去4年間術後管理のないカリエスリスクの高い観察群の4名とした. 彼らには本研究に協力してもらうにあたり,十分なインフォームドコンセントを行い納得した上で,大阪歯科大学医の倫理委員会の承認を得た同意書に署名してもらった 両群にメディカルインタビュー(ブラッシングの回数,常用薬剤の服用の有無,喫煙の有無,食事回数,PMTCの有無),口腔内検査(唾液の粘調度,プラークの量(PlI),床義歯の有無),唾液検査(刺激唾液の量,刺激唾液の緩衝能,mutans streptococciの数,lactobacilliの数)を行い,これら12因子を口腔内環境因子として調べた.唾液検査は,Orion社製デントカルトシリーズを用いた カリエスリスクレベルの高い観察群は,全ての症例でハイリスクのままである PMTCを行っている処置群でも,ハイリスクがロウリスクに移行したものは認められなかった.昨年度と同様で,唾液量が減少してきた被検者が両群において2名認められる.また,彼らにPlIの増加と根面齲蝕の発生が認められた.次年度も引き続いて実験を行う予定である
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