2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔上皮由来幹細胞による粘膜再生は線維芽細胞増殖因子により加速する
Project/Area Number |
21592482
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 雅裕 大阪歯科大学, 歯学部・附属病院, 准教授 (50159993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉本 晃一 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (90319583)
前田 照太 大阪歯科大学, 歯学部・附属病院, 教授 (10103110)
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Keywords | FGF / 口腔上皮 / 幹細胞 / 粘膜再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、FGFR2b/FGF10シグナルの口腔粘膜の治癒・再生への関与・役割を解明することにある。本研究結果は、歯の喪失により失われた歯槽堤再生のための基盤となり、FGFを用いた口腔粘膜再生の治療法開発/臨床応用に多大な貢献をもたらすと考える。 本研究には、海外研究協力者であるロサンジェルス子供病院ベルーシ准教授より供与を受けたFGFR2b遺伝子ノックダウンマウスとFGF10過剰発現マウスを用いた。これらのマウスは、テトラサイクリン系杭生物質ドキソサイクリン混合飼料の投与により、投与開始48時間後よりFGFR2b減弱およびFGF10過剰発現させること可能となる。これを用いて、FGFR2bシグナルの減弱/FGF10過剰発現時おいて、粘膜創傷治癒モデルによる粘膜治癒過程について組織学的検討を行った。 実験方法は、実験開始72時間前に、ドキシサイクリン飼料の投与を行った。次に、マウスの左右臼歯部diastema部に直径1mmの粘膜欠損をAcu-Punch(R)を用いて実験的粘膜創傷を形成した。粘膜創傷治癒過程におけるFGFR2b減弱およびFGF10過剰発現の影響を経時的に観察するために、粘膜欠損形成、1、3、7日後に組織採取した。 この結果、FGFR2b遺伝子ノックダウン群では、粘膜創傷治癒が若干、正常群より遅れることが明らかとなった。この要因としては、FGFR2b遺伝子ノックダウン群では、口腔粘膜の有蕀・顆粒層の菲薄化が観察され、FGFR2bノックダウンにより、口腔粘膜の基底層から角質層への分化が抑制されることに起因している可能性が考えられた。これに対してFGF10過剰発現群では、口腔粘膜の角質層が肥厚し、個体によっては錯角化が観察された。これは、FGF10の過剰発現によって、基底層から角質層への分化が促進されていることが起因しているのではないかと考えられた。これにより、FGF10は口腔粘膜基底層に存在すると考えられる、口腔上皮由来幹細胞の分化を促進すると考えられた。 今後は、FGFR2b/FGF10シグナルとこれに関連する遺伝子を探索し、粘膜再生促進のメカニズムについて解明を行う予定である。
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Research Products
(2 results)