2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592486
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
清水 博史 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (80162709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津江 文武 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (80454932)
|
Keywords | 歯学 / 高分子材料 / 補綴装置 |
Research Abstract |
重合の完了したアクリリックレジンと未重合のコンポジットレジンとは本来接着しないが、ジクロロメタンとシランカップリング材の併用処理あるいはシリカコーティング処理により、接着性を示すようになる。しかしながら、いずれの処理においても接着強さと耐久性は未だ十分ではないことが明らかとなっている。そこで本研究の目的は、両者の接着性と耐久性を向上させ、ひいては可及的に一体化をはかることができる処理法を見出すことである。 加熱重合型床用レジンをメーカー指示の方法で重合した。被着面を400番の耐水ペーパーまで順次研磨し、この面に種々の表面処理(1)無処理;2)4-METAレジンモノマー乾燥;3)ジクロロメタンとシランカップリング材の併用;4)4-METAレジンモノマー湿潤;あるいは5)4-METAレジンスラリー)を施した後、コンポジットレジンペーストを築成し、光重合器で重合した。24時間37℃温水中に保管後剪断試験を行い、破断時の荷重を測定した。試料の半数は5℃と55℃の水中熱サイクルを10,000回付与した後に同様の試験を行った。その結果、熱サイクル前には無処理の2.3±5.6Nに対し、4-METAレジンモノマー湿潤と4-METAレジンスラリーがそれぞれ405.7±31.0Nと473.2±45.5Nを示した。熱サイクル後には4-METAレジンスラリーが432.2±65,0Nで唯一低下しておらず、4-METAレジンモノマー湿潤の326.0±42.0Nより大きな値であった。また、熱サイクル後でも4-METAレジンスラリーで処理した10試料中7試料で床用レジンの凝集破壊像を示した。 以上より、床用レジンに4-METAレジンスラリーを糊のように介在させ、コンポジットレジンを築成して重合すれば実用に耐える新しい補綴装置が作製できるものと思われた。
|
Research Products
(1 results)