2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラットフォームスイッチングによるインプラント体への応力分散(生体工学的な解析)
Project/Area Number |
21592504
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
萩原 芳幸 日本大学, 歯学部, 准教授 (00228389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 有峯 日本大学, 歯学部, 研究員 (40437273)
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Keywords | インプラント / 応力分散 / 有限要素解析 / プラットフォーム |
Research Abstract |
インプラント体周囲の骨吸収を抑制するためにインプラントプラットフォーム径よりもワンサイズ(片側0.5mm程度)小さな直径のAbutmentを装着する"Platform switching(PLS)"が注目を集めている.臨床的な事象としては報告されているが,実際の作用機序や骨吸収の防止程度に関する報告は少なくPLSに関する検証もされているとは言い難い.本研究ではPLSの作用機序を生体工学的な視点から検証することを目的として,有限要素解析(FEA)を用いて検証を試みた.今回はFEAのインプラントモデルをbutt Joint型インプラントとし,外部六角(External HEX)と内部六角(Internal HEX)の2種類として比較を行った.解析には有限要素解析ソフトANSYSを用いた.荷重方向はインプラント長軸方向と斜め方向からの3通り(垂直方向は歯軸と垂直(90度),斜め方向の角度は30度および60度,荷重量は100N)とした.今回はアバットメント,アバットメントスクリュー,インプラント体のチタン材料はすべて11.0Gpa,皮質骨17Gpa,海綿骨300Mpa,ボアソン比は0.3で解析を行った.今回の設定結果butt Joint型では,外部六角(External HEX)と内部六角(Internal HEX)共にPLSにより,インプラントショルダー部への応力分散(特に垂直方向)が軽減される傾向を認めた.この傾向は全ての荷重角度においても出現した.アバットメントとインプラント接合部に水平的なギャップを意図的に設定するPLSでは,アバットメントのエッジ部分が平坦なプラントホームの内側に位置することが応力の分散傾向を変化させ,インプラント体ショルダー下部(=インプラントネック部)での応力集中を軽減することは確認できた.しかし,今回のFEAの結果から機械(あるいは生体)工学的な事象だけでインプラント周囲の骨組織に対する影響,ひいてはインプラントネック部周囲の骨吸収を抑制するだけの効果があるのかという結論には至らなかった.
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