2009 Fiscal Year Annual Research Report
リボン状OCP/アパタイト複合結晶を用いた高靭性コラーゲン複合体の開発
Project/Area Number |
21592505
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
飯島 まゆみ Asahi University, 歯学部, 助教 (80164838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 講師 (00158594)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
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Keywords | 生体材料 / コラーゲン / アパタイト / 複合材料・物性 / 曲げ挙動 |
Research Abstract |
本課題の目標は、靭性と強度を兼ね備えるアパタイト/コラーゲン複合体の開発である。その手段として(1)リボン状のオクタカルシウムリン酸塩(OCP)/アパタイト複合結晶を利用し、(2)加温下で複合体の加圧成形体を作製することを計画した.本年度は、上記の項目に対しそれぞれ次の点を明らかにした. (1)アスペクト比の大きなOCP/アパタイト複合結晶は、37℃、pH6.3-6.5において3日間育成した長いリボン状のOCP結晶を10~20ppm F存在下、pH8-9で2日間加水分解することにより得られる. (2)成形体の曲げ挙動は加温加圧成形前の複合体の湿潤度ならびに予備成形条件に依存した.含水量1μl/mg、30MPa、30秒間一軸加圧が適切であった. 複合体成形体の3点曲げ試験を行い、曲げ挙動を荷重(N)より算出した応力(MPa)-変位(mm)曲線で表し、曲げ強さを最大荷重から求めた.本複合体成形体は、1)最大応力に達した後も破断せず、下部支点に支えられた状態で変位が続き、破断点を示さず、2)応力による変形の初期に弾性的な挙動を示し、応力集中部位の部分的な脆性破壊を起こした後、最大応力に達するまで非線形的な変位を続けた.このため、通常の方法で靱性と弾性率を求めることができないので、それぞれ次の方法で評価した.1)靱性の尺度:最大応力に達した時点の変位までの応力-変位曲線の面積;2)弾性率の尺度:初期の線形領域の勾配.曲げ強さ、見かけの靱性および弾性率を乾燥状態で加圧成形した場合と比較した.その結果、湿潤状態で加圧成形することにより、見かけの靱性は~6倍、弾性率は~2.5倍、強さは~3倍になった.これは、湿潤条件で複合体を加圧することにより、コラーゲン繊維同士ならびにコラーゲンと結晶の一体化が促進され、成形体がより緻密となったためと考えられた.
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Research Products
(4 results)