2009 Fiscal Year Annual Research Report
2種類のPET診断を用いたビスホスホネート関連顎骨壊死に対する新たな治療戦略
Project/Area Number |
21592510
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 裕 Hokkaido University, 大学病院, 講師 (90250464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
秦 浩信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70450830)
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Keywords | FDG-PET / FMISO-PET / HBO / BRONJ / 骨代謝マーカー |
Research Abstract |
本研究の目的は、Positron emission tomography(PET)と骨代謝マーカーをビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)の診断プロトコールに組み込み、病変の正確な進展範囲と病態の把握、高気圧酸素療法Hyperbaric oxygen(HBO)の効果判定、HBO後の治療方法の決定、手術する場合には切除範囲の選択、を策定し、症例ごとに適切な治療戦略を確立して患者さんのQOL向上に貢献することである。 当該年度ではBRONJ症例のうち、病変が広範なStageII~IIIで、入院下に検査・治療が可能であった4症例を対象とした。年齢は78~81歳で女性3例、男性1例であった。いずれも内服めビスホスホネート製剤を2年~5年服用し、2例はステロイドも併用されていた。プロトコールに準じ、HBOの前後でCT、MRI、Tcシンチ、Gaシンチ、FDG-PETをそれぞれ施行した。HBOは術前20回、術後10回を行い、各種画像検査結果と臨床症状を対比させてHBOの効果判定を行った。手術の際の顎骨切除はPETを含めた各種画像診断と術中所見から判断した。結果はFDG-PETのSUVmaxの平均は3.6(2.7~5.6)で、HBO後に1例だけが増加(2.7→4.1)、残りの3例は減少(5.6→1.8,4.5→2.5,5.3→3.5)した。増加した症例はTcシンチでHBOの前後で明らかな変化はなかったが、臨床経過はHBO後に排膿を認め炎症が再燃した症例であった。他の3例ではHBO後は臨床的にも症状が改善し、その後の外科的消炎術後も経過は良好で完全治癒した。また、MRIはいずれの症例もHBO前後で明らかな変化を認めなかった。以上の結果より、今のところ症例数は少ないが、FDG-PETがHBOの効果判定や、BRONJ症例の予後予測に有効である可能性が示唆され、次年度もさらに症例を重ねる予定である。
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Research Products
(2 results)