2010 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨再生に向けたPTHとCOX-2の骨形成相互の解明
Project/Area Number |
21592513
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近津 大地 東京大学, 医学部, 教授 (30343122)
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Keywords | PTH / COX-2 |
Research Abstract |
平成21年度では骨芽細胞様細胞株であるMC3T3-E1細胞およびMC-4細胞を用いたin vitroの系で、PTH刺激によりcalcium-calcineurin-NFAT signaling pathwayを介してCOX-2が誘導発現されることを示した。平成22年度は、マウス骨芽細胞および骨髄間葉系細胞を用いて同様の検討を行った。加えて、研究代表者は以前、MC3T3-E1細胞、マウス骨芽細胞および骨髄間葉系細胞において、BMP-2刺激によりNFAT signaling pathwayを介してCOX-2が誘導発現されることを示しており(J Bone Miner Res, 2002、Asian J Oral Maxillofac Surg, 2006)、今回は特に顎骨再生でしばしば用いられる間葉系細胞において更なる検討を行った。その結果、ヒト骨髄由来間葉系細胞およびマウス間葉系細胞株C3H10T1/2において、Nanogは殆ど発現していないが、レトロウイルスベクターを用いて強制発現させた場合にはNanogがBMPシグナルを増強することが示された。このことから、間葉系細胞の骨分化能維持にはNanogとBMPを中心としたそれぞれの関連分子が重要な関わりを持っていることが推測された。更に、組織再建・再生では速やかな創傷治癒も重要な因子であり、適切な湿潤環境により血管新生が促され、創傷治癒促進がみられた(Asian J Oral Maxillofac Surg, 2010)。血管新生には以前からCOX-2の関与が指摘されているため、現在、骨再生における血管新生とCOX-2の関与を検討中である。
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[Journal Article] Improvement in wound healing by a novel synthetic collagen-gel dressing in genetically diabetic mice2010
Author(s)
Chikazu D, Taguchi T, Koyama H, Hikiji H, Fujihara H, Suenaga H, Saijo H, Mori Y, Seto I, Iino M, Takato T
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Journal Title
Asian J Oral Maxillofac Surg
Volume: 22
Pages: 61-67
Peer Reviewed
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