2009 Fiscal Year Annual Research Report
405nm半導体レーザーを用いた低侵襲的診断・治療法の口腔外科領域への導入
Project/Area Number |
21592516
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮崎 英隆 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70420271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 克哉 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40344709)
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Keywords | 405nm / レーザー / 口腔 / 血管病変 |
Research Abstract |
我々は波長405nm半導体レーザーの臨床応用を目標として、特に軟組織に応用した際のレーザーのエネルギーと組織の反応との関係を中心に、基礎的データを収集してきた。本レーザーの波長がヘモグロビンに特異的な吸収特性を示すことから臨床における血管病変(血管腫・血管奇形)の治療に応用可能ではないかと考え実験計画を立てた。 当初、平成21年7月までに血管病変のレーザー治療モデルを動物実験によって確立し、8月より平成22年2月まで適切な照射条件の設定および病理組織学的な検索を行う予定であった。当初の実験で405nmレーザーが血管の変性作用をもつことが分かったが、太い血管を変性させるためには従来のレーザー機器の出力(最大出力1W)では足りないことが判明した。平成21年8月より企業で機器の高出力化を開始し、その開発に6か月を要した。その間に従来の機器で実験可能な、切開・止血用レーザーメスの開発を開始した。動物の舌や肝などの組織にレーザー照射実験を行い、生体の治癒や止血力、安全性などを確認した。その結果従来の半導体に比較し舌・肝臓に本レーザーを照射したところ、生体においても高い蒸散力を示すだけでなく、高い止血力を示すことがわかった。その成果の一部を電子情報通信学会技術研究報告に報告した。またレーザーを照射した動物の創部には長期経過観察中に発がんなどの現象も認められず、安全性も確認できた。 また生体深部の血管病変に対してレーザー治療を行う上での問題点は、深部病変にいかにレーザー光を効果的に到達させるかということである。我々は上顎および眼窩深部にアプローチする手術手技を口腔外科領域に導入し報告した(Asian J Oral Maxillofac Surg)。
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