Research Abstract |
・骨形成蛋白(bone morphogenetic protein : BMP)至適濃度の検討(服部,木下,上田) リコンビナントミニコラーゲン蛋白は凍結乾燥処理後に加熱処理,架橋処理を行い,綿状のscaffoldを作製した.BMP-2, BMP-4, BMP-7(各PROSPEC社製),GDF-5(PROSPEC社製),GDF-11(R&D systems社製)の10ng, 100ng, 1μg, 10μg, 100μgの各濃度を綿状のscaffoldに染み込ませ,ヌードマウスの大腿筋膜下に移植,軟X線写真,HE染色を施した組織切片にて評価した.異所性骨化は軟X線写真の評価で,BMP12, BMP-4, BMP-7(各PROSPEC社製)の100ng, 1μg, 10μgでは認められたが,BMP-2, BMP-4, BMP-7(各PROSPEC社製)の10ng, 100μg, GDF-5(PROSPEC社製),GDF-11(R&D systems社製)の10ng, 100ng, 1μg, 10μg, 100μgでは認められなかった.HE染色を施した組織切片では,BMP-2, BMP-4, BMP17(各PROSPEC社製)の10ngの切片では,低濃度のためか反応している細胞が認められず,100μgは高濃度のためか,炎症細胞浸潤が顕著であった.また,GDF-5, GDF-11のすべての濃度の切片でも炎症細胞浸潤が顕著であった.BMP-2, BMP-4, BMP-7では,100ng, 1μgの組み合わせの骨形成が良好であった.リコンビナントミニコラーゲン蛋白のscaffoldは,BMP-2, BMP-4, BMP-7と特異的に親和し,100ngと少量の骨形成蛋白でも有意な骨形成を生じる可能性が示唆された.次年度は,各種scaffoldとBMPによる骨形成の比較検討を行う予定である
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