2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592522
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎本 明史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (70432549)
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Keywords | 神経可塑性 / 三叉神経 / 顎運動 / 脳幹 / パッチクランプ / 細胞外記録 / 嚥下運動 / 舌下神経 |
Research Abstract |
三叉神経系の神経ネットワークの発達は、吸綴や咀嚼といった顎運動の生理学的機能の発達に大きな影響をあたえている。吸綴障害、咀嚼障害を代表とするオーラルデイスキネジアの治療には、三叉神経系の顎運動における神経生理学的メカニズムを解明することは不可欠であることは明白である。 我々の研究により、三叉神経運動ニューロンが単一神経細胞内において神経可塑性を持ち、その興奮性を変化させる特性が存在することが解明された。これは、神経間を通した三叉神経感覚系からの刺激により、神経細胞の活動性が高まり、顎運動の生理学的活動性を高めることとなることを示唆させるものである。神経シグナルを最終的に咀嚼筋におくる三叉神経運動ニューロンが、単一細胞として神経可塑性を持ち、これが神経活動の特性としてFI (Frequency-current) curveの左方移動によるものであることを我々は確認した(Okamoto R, Enomoto A, Koizumi H, Tanaka S, Ishihama K, Kogo M.(2010) : Long-term potentiation of intrinsic excitability in trigeminal motoneurons. Brain Res.Feb ; 1312(2) : 32-40)。 顎運動の一つとして認知されている嚥下運動について、同じく舌下神経系の神経可塑性のメカニズムを解明することが必要になる。舌下神経運動ニューロンは、三叉神経運動ニューロンと同様の刺激では、神経可塑性を示さないことが認められた。これらの研究は、吸綴障害や咀嚼障害をはじめとする顎運動機能障害の治療に対しての有用な研究となると考えており、継続して研究を行う予定である。
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Research Products
(2 results)