2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型および発現特性による口腔癌細胞特性診断パネルの開発
Project/Area Number |
21592543
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大島 朋子 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (50233101)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 洋子 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (10460213)
|
Keywords | 遺伝子発現 / 遺伝子多型 / 癌細胞特性 / 口腔扁平上皮癌 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
口腔癌の持つ特性と変異遺伝子との関係を理解し科学的根拠を検証した上で、最も効果の高い治療法を選択する基準を確立するために、本研究では遺伝子発現と多型のバリエーションを分析し、それぞれの細胞特性を明らかにすることを目的とした。以下に研究項目とその結果を示す。 1. ヒト口腔癌培養細胞12株からタンパク質を抽出し、昨年度の研究成果からRNA発現に異常上昇が見られた候補遺伝子において、タンパク質レベルでの発現解析を行った(Western blotting法)。その結果、少なくとも2遺伝子のタンパク質発現が過剰であることが示され、バイオマーカーとしての可能性が示唆された。 2. 昨年度のSNPs解析により、正常群と腫瘍群でマイナーアレル頻度が異なる傾向にある第7、13、19およびX染色体上の単一SNPsおよびHaplo-type Blockの近傍のSNPs解析を行った。その結果、19およびX染色体上の近傍SNPsにsnoRNA(核小体低分子RNA)およびlincRNA(大型介在性非コードRNA)などのmicroRNAターゲット配列が含まれていることが明らかとなった。 3. 2の結果よりmicroRNA発現が発症メカニズムに関連する可能性を検証する必要性が示されたので、microRNA発現解析を行う条件検討を行った。ボランティアから採取した血漿および唾液からmicroRNAを抽出し、キャピラリー電気泳動(BioAnalyzer^[○!R], Agilent社)で確認したところ、唾液サンプルの方が血漿サンプルに比べリボゾームRNAの混入が少なくより純度の高いmicroRNAの抽出に適していることが示された。さらに、直接バイオマーカーとしての有用性が示されるならば、より侵襲性の少ない患者サンプル採取による診断に結び付けられる可能性が期待される。
|