2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌治療のためのナノバブルと超音波を用いた新しい術中迅速診断システムの開発
Project/Area Number |
21592550
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森川 秀広 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (60302155)
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Keywords | 口腔癌 / ナノバブル / 超音波 / 術中迅速診断 / リアルタイム |
Research Abstract |
人口の高齢化に伴い急増している基礎疾患を有する口腔癌患者においては、長時間の手術に伴なう様々なリスクから、迅速病理組織診断に十分な時間を取れない症例も多く、短時間での診断演可能な新しい術中診断システムの開発が望まれる。本研究の目的は、超音波造影剤としてのナノバブルと高周波超音波画像診断装置、および口腔内のような狭い空間内でのスキャニングが可能な超音波プローブを用いた新しい術中迅速画像診断システムを開発し、口腔癌の術中における精確な原発巣の切除範囲の設定やリンパ節転移の診断をリアルタイムで可能にすることである。平成21年度においては、実験腫瘍モデルマウスを用いて、口腔領域のような狭小なスペースに多様な組織あるいは臓器が混在する部位を想定した場合に生じる、ナノバブルと高周波超音波を用いた画像診断システムによる腫瘍血管の画像解析における問題点を検討した。その結果、本診断システムにおいて解決すべき様々な問題点が浮上してきたが、その一方で、新しい知見も得られた。すなわち、頸部所属リンパ節のように病巣部の近傍に太い動脈がある場合における超音波造影画像においては、超音波造影剤によるいわゆるハレーションが生じること、さらに、動脈の拍動により血管構築画像にぶれが生じることにより、微小血管の描出が困難になること、未成熟な腫瘍新生血管では、未だ循環系に組み込まれておらず、組織学的に血管が存在しても画像として描出されないこと、静止画像では、正常組織と病変部との識別が困難であっても、ナノバブルの血中の動態を四次元的に解析することにより、病変部を識別できる場合があることなどである。
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Research Products
(9 results)