2009 Fiscal Year Annual Research Report
テロメラーゼ作動性Smad7発現型ウイルスによる口腔癌の制御
Project/Area Number |
21592563
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
羽鳥 仁志 Showa University, 歯学部, 准教授 (20245814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 悟 昭和大学, 歯学部, 教授 (80294429)
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
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Keywords | テロメラーゼ / Smad7 / TGF-beta / 口腔扁平上皮癌 / ウイルス治療 |
Research Abstract |
テロメラーゼは、癌細胞特異的に発現していることが知られており、癌治療の標的として最も注目されている分子の一つである。口腔癌においても82%以上にテロメラーゼが発現しており、テロメラーゼ構成成分であるhTERT(human telomerase reverse transcriptase)をプロモーターとしたウィルス製剤の有効性が期待される。本研究では、テロメラーゼ作動性の癌特異的ウィルス製剤(テロメライシン&テロメスキャン)にTGF-βシグナルの負の調節因子であるSmad7の発現配列を組み込むことにより、ウィルスによる癌細胞融解だけでなく、生存した癌細胞に対してもTGF-βシグナルを抑制し、口腔癌の増殖、浸潤転移を制御する新たな治療戦略の開発を目指す。平成21年度は主にヒト口腔扁平上皮癌細胞におけるテロメラーゼの活性およびアデノウイルスの受容体の発現について解析を行った。各種ヒト口腔扁平上皮癌細胞においてテロメラーゼ活性の指標となるhTERTの発現をリアルタイムPCR法にて検討した。その結果、全ての癌細胞においてhTERTの発現を認めた。また正常細胞においてはその発現を認めず、特異性の強い遺伝子である可能性が示唆された。次にアデノウイルスの受容体であるCARの発現について、フローサイトメトリーを用いて検討した。その結果、同様に全ての口腔扁平上皮癌細胞においてCARの発現を認めた。現在、このテロメライシンにSmad7発現配列を組み込み、テロメラーゼ作動性のSmad7発現型ウィルスを構築している。
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