2011 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸オクタカルシウム・コラーゲン複合体埋入後の再生骨内における未萌出歯の動態
Project/Area Number |
21592568
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 桂子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00302159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80224640)
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
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Keywords | リン酸カルシウム系生体材料 / リン酸オクタカルシウム(OCP) / OCP/Col / 骨再生 / 後続永久歯萌出 / ビーグル幼犬 |
Research Abstract |
骨再生材料として開発中の人工合成リン酸オクタカルシウム(OCP)とコラーゲンの複合体(OCP/Col)の優れた骨再生能は既に報告されているが,形成された骨組織の性状については研究の余地がある.すなわち,臨床応用上とくに顎裂部への自家骨移植の代替治療として適用するためには,再生骨内へ歯が移動可能であること,さらに再生された骨内から未萌出後続永久歯が自然萌出しなければならない.そこで本研究の目的は形成された新生骨組織内に歯が自然萌出するかを確認し,永久歯萌出前の顎裂閉鎖に本材料の使用が妥当であるか,さらには本材料の最適化についての検討を行うために立案された. 本年度は研究期間の最終年度であり昨年度までに行った実験の継続と結果の解析を行った. これまでの実験内容はビーグル幼犬(生後2か月齢,♂)の下顎左側第2,第3乳臼歯の抜歯窩に残存する歯槽中隔の骨を可及的に除去し連続した骨欠損とし,OCP/Col埋入群,既存の骨補填材のβ-TCP埋入群,さらに抜歯のみで閉鎖する抜歯単独群の計3グループを作製した.なお下顎右側乳臼歯部は未処置とし,乳歯の自然脱落,後続永久歯萌出時期の指標とした.抜歯および材料埋入実験から10週目までは2週毎,11~16週までは1週毎に,口腔内X線写真撮影と口腔内診査を行い,17週後に経過観察終了とした. 本実験の結果,OCP/Col埋入部位には未処置のコントロール側と比較して第3前臼歯(P3),第4前臼歯(P4)の萌出遅延や埋伏などの障害は見られなかった.しかしβ-TCP埋入部位の一部にP3埋伏,P4埋伏,P4の萌出遅延を伴う半埋伏状態の萌出障害が認められた. 以上より,永久歯萌出前のヒト顎裂に対する自家骨移植の代替治療として,既存の骨補填材のβ-TCPに比較して後続永久歯の萌出障害が認められないOCP/Colの臨床応用の可能性が示唆された
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[Presentation] 未萌出永久歯のある顎裂閉鎖に応用可能な骨再生材料としてのOCP/Colの検討2011
Author(s)
松井桂子, 神田直典, 三浦桂一郎, 枝松洋, 小林司史, 加藤雄大, 半田拓人, 田沼裕志, 鈴木治, 鎌倉慎治, 越後成志
Organizer
第56回(社)日本口腔外科学会総会・学術大会
Place of Presentation
大阪
Year and Date
20111021-23