2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592581
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
城 茂治 Iwate Medical University, 歯学部, 教授 (20154411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四戸 豊 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (30347885)
鍋島 謙一 岩手医科大学, 歯学部, 常任研究員 (20405856)
鹿島 悠子 岩手医科大学, 歯学部, 常任研究員 (30458187)
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Keywords | 眼窩下神経 / 神経ブロッケ / 無水アルコール / 高濃度局所麻酔薬 / 組織変性 |
Research Abstract |
三叉神経痛の治療法の1つに神経ブロック療法がある。神経ブロックには従来99%アルコールが用いられてきたが、副作用として神経炎、カヴザルギーなどを発症する例も多い。近年では、これらのアルコールの欠点を避けるために高濃度局所麻酔薬や高周波熱凝固法が用いられている。しかし、これらの効果を裏付ける基礎的研究はほとんどされていない。そこで本研究は、これらのブロックによる神経組織への影響とその回復渦程を明らかにするために計画した。 方法は、エーテル吸入麻酔下のマウス眼窩下孔に5%リドカイン、99%アルコールを注入した。熱凝固法については、発生装置は臨床でも現在頻用されそおり、また高価なため今年度は研究に使用することができなかった。5%リドカイン、99%アルコールの各薬剤を注入1日目、3日目、1週間目、3週間目、1ヶ月目、3ヵ月後に眼窩下神経を摘出し、透過型電子顕微鏡で形態的変化を観察した。 その結果、アルコール群では注入直後より3ヶ月後に至るまで殆どの神経線維の髄鞘に破壊像が残り、ブロック効果が持続していることが推測きれた。一方、リドカイン群では、破壊像を示す神経線維はアルコール群に比べると非常に少なかったが、1ヵ月後まで順次、軸索に軽度の破壊像を持つ神経線維が増えていた。3ヵ月後では、1ヵ月後と比較して破壊像を示す神経線維の数および程度はほとんど変わらなかった。また、太い神経線維と細い神経線維ではその変性と回復の過程が両薬剤では異なった経過を取る蛍光が見られたので、今後はこの違いを組織的に検討する予定である。 これらの結果は、今後の臨床に大いに役立つものと確信している。
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