2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592581
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
城 茂治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20154411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四戸 豊 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (30347885)
鍋島 謙一 岩手医科大学, 歯学部, 常任研究員 (20405856)
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Keywords | 眼窩下神経 / 神経ブロック / 無水アルコール / 高濃度局所麻酔薬 / 組織変性 / 回復過程 |
Research Abstract |
三叉神経痛の神経ブロック療法に従来99%アルコールが用いられてきたが、副作用のために高濃度局所麻酔薬が用いられる。しかし、この効果を裏付ける基礎的研究はほとんどされていない。そこで本研究は、平成21年度に無水アルコールと5%リドカインによる神経障害の組織的変化の相違を明らかにしたが、平成22年度では、これらのブロックによる神経組織の回復過程を明らかにした。 方法は、マウス眼窩下孔に5%リドカインまたは99%アルコールを注入した。各薬剤注入後、1日目、3日目、1週間目、3週間目、1ヶ月目、3ヵ月目までの眼窩下神経の形態的変化に加え,6ヵ月目の変化を透過型電子顕微鏡で観察した。 その結果、アルコール群では注入直後より3ヶ月後に至るまで殆どの神経線維が破壊され、ブロック効果が持続していることが推測されたが、やがて細い線維から増加し、次いで太い線維も出現して6ヵ月後にはほぼ正常まで回復した。一方、リドカイン群では1日目に殆どの神経線維が破壊されたが、3日目にはすでに細い線維が出現し、6ヵ月目まで順次太い神経線維が増えた。しかし、6ヵ月後でも5%ほどの神経線維が破壊されたままであった。 以上の結果より、高濃度局所麻酔薬による神経ブロックは、アルコールによるものとは異なった神経の形態学的変化を生じ、神経ブロックの持続期間もアルコールより長いことが示唆された。神経ブロックの作用は、薬液による注入圧や浸透圧には影響されないことも示唆された。さらに、神経ブロック後に細い神経線維が増えることから、細い神経線維が障害後の再生に関与することが示唆され、太い神経線維との密度比が知覚機能の再生と関係があることも推測された。
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